説明のターン
好き嫌いはないか、
食べれないものはないかを聞いた後、
食事を取りに行こうとしたリョウに
ぼくが行ってくる~♪と
クリスが申し出たので、
リョウは先にキラリに説明することにした。
「あんな。
まずここは多分
キラリがいた世界とは全く異なる世界や。
武器があって、
魔物がいて、
魔法がある世界。
昔この話した時は、
ファンタジー世界って
言う奴がおったけど、
多分その感覚が転移者にしたら
しっくり来るんやと思う。
あんたはさっき銃よりはナイフって
答えたけど、ここにはあんまり銃はない。
一部の猟師やたまに山賊とかが
持っとるくらいやな。
何故なら魔法の方が栄えてるから」
言語化の魔法を使える者は稀だが、
攻撃魔法や補助魔法は扱えるものは多い。
そしてそのテの魔法を
魔導具に入れることで
魔法が使えない者でも
扱うことができる。
そのため銃のような
手入れや銃弾を必要とする物は
あまり流行らないのだ。
「キラリのいる世界ではどうかわからんけど、ここには妖精も精霊もドラゴンもいる。
魔法使いや格闘家や僧侶とか、
職種も多々ある。
うちらは魔王を退治する旅の途中や」
「…魔王?」
「そう、魔王。文字通り魔物の王や」
魔物がいて、その魔物を統べる存在。
「もっとも姿を見たって奴を知らんから、
今のところ想像の生き物やけどな。」
…ほんで。
「ウチはリョウ。職業で言えば商人や。
たまに神官の真似事
みたいなこともしとるし、
道中商品仕入れたり
売ったりしながらを
生業にしとる。
この人数やから小規模やけど。
クリス…金髪の奴な?
あれが魔法使い。
あれで凄腕なんよ」
滅多に習得されていない
言語化の魔法を無詠唱で使えるほどに。
神官のスキルを持つリョウには
それがどれだけ稀有なことか
わかっているが、
キラリがそれを
重く恩義に感じる必要は
ないと思うので
軽く話す。
「エルフって種族やから
見た目より長く生きとる。
あと男嫌いやから基本男にはそっけない。」
だからこそキラリを見た時に
介抱するとはと不思議だったが
性別をきき納得である。
差別?するよ!
ぼくが関わる人を選ぶのは
ぼくの勝手でしょ?
クリスの言い分は
倫理観からすると微妙だが、
誰にでも善意で接する必要はないと
リョウも考えるタイプである。
そしてあれでなかなか見る目がある。
本気で無視する相手は
それなりの理由があるので
ある意味納得できるのである。
「あと、一緒にいた黒髪の方がエイミーな。
…あれで凄腕の格闘家やねん。
…あれで。体弱いけど」
虚弱体質のエイミーはすぐ吐血する。
それでいて戦闘狂で武器オタクで
それを駆使しての格闘センスは抜群である。
ただ戦闘の度に吐血して倒れるので
「もーその都度回復魔法かけるの
めんどくさいよー!
ぼくだけでも倒せる時は
見学しててよー!」
と体育の授業のような軽いノリで
ぼやかれている。
…あと。これはキラリにとっては
重要かもしれないから
補足で説明しておかないと。
「エイミーも、キラリと同じく
転移者やから、不安な気持ちとか
不便なこととかあったら
相談してもええかもな」
そう。
エイミーも一年ほど前に
異なる世界から来た人間だ。
同じくクリスの言語魔法をかけて
意志疎通ができるようにして今に至る。
リョウやクリスにはわからない、
ファンタジーと言ったのもエイミーだ。
同じ内容でリョウが説明した時、
「…俗に言うファンタジーの世界ね。
ふぅー★テンション上がるー★」
と全くテンションの上がらない顔と
トーンで言っていた。
だから異なる世界ではあるだろうけど、
天災に巻き込まれた経験を持っている故に
リョウやクリスに言い難い事も、
エイミーには
言えることがあるかもしれないし。
とはいえちゃんと聞いて
答えるかはホントに不安やけど。
読んで下さりありがとうございます✨




