行く末を語る者
「そうね・・・でもその為にはまず大人になる事を目指すのが一番重要になるわ」
「大人になる事・・・そっか、僕達は・・・」
一日の言葉に周囲ははっと気付く。従来の枠組みから余りにも外れていたので当人達もその自覚すら忘れかけていたが、彼らはまだ小学生だった。
「私も、そして皆もまずは学校に戻り、生徒として日々を送る。そして歳月を重ねていく。何れ終わりはくるのでしょうけど、その時までね」
「終わりを迎えるその時まで・・・」
「ええ、こんな事をして置いて碌な終わり方が出来るとは思っていないけど、それでも私は最後まで抗うつもりよ。理不尽な終わり方に対しては」
そう告げると一日は振り向き、満面であると同時に強い決意を秘めた笑顔を命達に見せる。その笑顔を見た一同は
「僕も同じ気持ちです。道は違う物になるかも知れませんが、どんな形であったとしても、僕は一日ちゃんと共に世界を見守るよ」
「私も、この世界の行く先を見届けたいですから。自らの手で終わりを早める事だけはしません」
等の決意をそれぞれ口々に話す。
「分かったわ。皆、行きましょう!!新たな世界へ」
一日がそう言った時、一同は一日の部屋の前に立っていた。そして部屋の扉を開け、一日の魔力を使って一行は元居た世界へと帰還する。
「・・・あれから、世界は驚くべき速さで動き始めた。
一時とはいえ又世界大戦が起こり、更にそれを他の世界から現れた存在が早急な終結へと向かわせたという事実は世界に大きな衝撃を与えた。
あの大戦の後、それ以前から起きていた疫病の影響もあり、国家間は疎か、個人同士の関係性も世界規模で変化した。
小学校・・・否幼稚園からもう馴れ合い的な接し方の教え方は消え去り、変わって底まで親しくない人物、自分と合わない人物を如何にあしらうかに人間関係の重点が置かれるようになった。
でもそれが寂しさや殺伐とした雰囲気を出しているかと言えばそうでは無い、寧ろ仲良しこよしを矯正されるのではなく、本当に自分が親しくなりたいと思った人には積極的に接していくようになり、そうした関係の信頼関係や絆は例え疫病が再発しても消えないと言い切れる程の硬く深い物になっていった。最も、当面の間再発は無い訳だけど。
経済やパワーバランスも大きく変わった。軍事力のバランスが崩れた事で国際情勢も変化した。けどフリーチェさんと言う虚像の存在からバランスが崩れても尚、横暴勝手な行動を取る国は今の所現れていない。各国に協力者が居るのも幸いしてる」




