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この世に生を受け、初の

 そして「運命」の2月8日、奥村真子の誕生日――

 やって来てしまったこの日が。

 2人の時間が合ったのは午前10時台から11時台。オレの運転で港区役所を目指し車を発進。

 オレは勿論だが相方も運転免許証を持参している。後は戸籍謄本と一番肝心な婚姻届である。

 

 車を走らせる事約30分で区役所に到着。2人で戸籍課へ向かう。

「さあいよいよだね!」

 相方の嬉しそうな、何処か安堵したような表情。に対してオレは……。奥村から婚姻届を受け取ったが、心臓は『バックン!バックン!!』状態。熱い季節でもないのに額には脂汗も滲んでいるような……。


 戸籍課の窓口に着き静かに深呼吸をして、

「お願いします」

 免許証と婚姻届を、奥村は免許証、戸籍謄本を提出する。

「はい、確かに受理しました。この度はおめでとうございます」

 係員に事務的に言われ、

「ありがとうございます」

 ユニゾンで会釈した。

 あ~あ、これでオレも妻帯者になってしまったか……諦めが悪いのは自覚している。

 

 ああ、これで私も後輩や友達に「結婚した」って胸を張って言える。何か肩身が狭かったんだよね、今までは。嬉しさと同時に爽快感が広がる。

 区役所を後にする道すがら、

「ねえ相方、指輪とか挙式は挙げなくて良いけど、記念写真くらいは撮らない?」

 助手席で破顔している。彼女の中では撮る事が既に決まっているようだ。

「ウェディングドレス着たいのか?」

「まあ一度くらはね」

「また時間作らなくちゃな。念頭には入れとく」

「失念しないでよ」

「またそれか。しないよ。入籍する事も失念しなかっただろ」

 あれだけせがままれれば失念したくても出来ようか……。


「白いドレスに黒のタキシード。絶対だからね。っていうか念頭に入れとくんじゃなくて、一つなるはやでお願いしたいんですけど」

「解りました。近々また時間を作らせて頂きます」

 

 ユースケは吹っ切れたのだろう、表情も清々しく見える。

 でも、入籍したのはゴールじゃないからね。ここからがスタート。色んな事があるだろうけど、中山裕介、覚悟しとけよ!

 

 「フフフフフンッ!」やっぱりまた心中でほくそ笑む私なのだった――


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