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中山家

 それから半年後の6月中旬――

 下平希プロデュース第二弾となる、一週間のニュースで出演者全員が時々漫才をするコンセプトのワイドショー番組も開始され、こちらはある程度予測した通り、数字は2〜3%台で推移しているが、番組が定着するまで様子見という段階。

 

 一方の『高ネオ STREET』も未だ継続中。数字も10%台前半か半ばと推移していてこちらは安定している。

 大石Pの思惑通り2年目に入り、回ももう直ぐ50回目を迎える。このまま「何事もなければ」本当に「15%まで」行くだろう。飽迄も今の数字を維持し続け、何事もなければの話だが。しかし、やっぱり高速ラインNEOは「ディープ向け」コンビだったのかもしれぬ。

 

 オレは『ーーSTREET』のスタッフルームを借り切り、ナリ君とホンを執筆する前の打合せをしていた。という事は、大石さんら他のスタッフは働き方改革で帰宅している。

「この撰で書いて行けば良いんっすね」

「うん。その方が視聴者ウケすると思うんだあ」

「かもっすね。じゃあその撰で書きます」

 ナリ君は納得して「うんうん」と頷く。

「じゃあ帰ろっか。執筆は自宅や事務所でやれば良いしさ」

「ですね」

 

 オレもナリ君も帰り支度を始めた刹那、『ブブーブブー』スマートフォンがバイブし始めた。時計は22時近く。

「おっ、オレのだ」

 画面を見ると「小枝子」と表示されている。母親だ。

「ディレクターか誰かっすか?」

「いや、お袋」

 また愚直に答えてしまう。誤魔化しが下手な人間でして……。

「先に帰って良いから」

「そうっすか。じゃあまた。お疲れ様でした」

「お疲れ様」

 ナリ君はスタッフルームを後にした。

 

 母親からの電話なので、やっぱり「今仕事中だから」とか言って邪険にする事は出来ぬっか。



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