相方に何が・・・
2019年、令和元年8月中旬頃から、相方こと奥村真子の様子がおかしいのである。得意な筈の料理も作ってくれなくなり、「コミュニケーションの時間」と言っていた2人で入浴する事もなくなった。食事も殆ど摂っていないようで、少し痩せた気もする。
帰宅すると「ただいま」とも言わず直ぐソファに横になり、表情も仄暗い。初めは多忙な仕事の為、そのストレスなのかと思っていた。
「仕事大変なんだろうな。あんまり無理するなよ」
「まあね。別に気にしなくて良いから」
声にも覇気がない。
「何かあったら言えよ」
「何もないから! 別に」
彼女はムキになり、何も言えなくなってしまう。
そっとしておくのが良いのか、半月近く様子見の状態が続く。だが相方の様子は一向に改善される事はなかった。
何かあったな。そう悟ったオレは、
「たまには外食でもするか」
何とか奥村の気分だけでも変えようとした。しかし……。
「いい」
これが彼女の淡々とした答え。何にも力になってあげられない。放送作家の心中は察する事は出来ても、アナウンサー兼報道記者の心中までは解らないのが本音。
これが「出演者と裏方の差」なのだ。自分の無力さを痛切する。
今や彼女は報道記者だけあって、自分で取材先へのアポイントメントを取り、ネットニュースの記事やニュース原稿までも執筆する事まで、任務として任されている。
現場ではカメラマンに対しても、「ここは(カメラを)回してください」「この部分は回さない方が良いですね」「私が現場に来た事が解れば、もうこれ以上は回さなくても十分なんじゃないですか?」などと、積極的に意見や指示も出して、最早、奥村は「立派なキャリアウーマン」「アナディレクターだよ」といったスタッフの声はオレにまでも入って来ている程。
序論の知識も把握する為、勉強量も博識さも際限がなく、放送作家の仕事とは、カメラの前に出るか出ないかの違いだけで、共通する面は多々あるのだが……。
脱帽する面ばかりではあるが、果たして奥村真子の中で何があったというのか……。
10月に入ったが相方の様子は相変わらず。無論、気には掛けているのだが、お互い多忙でオレも『高ネオ STREET』の他6本のレギュラー番組を抱えている為、中々彼女に構う暇がなく、不毛な日数を数えていた。
テレビでは笑顔を見せているが、自宅マンションでは笑みは微塵もなく、前はオレが構成に携わっている番組を一緒にチェックする事もあったがそれもなくなり、露骨に疲弊したままの表情が続いている。
社内で苛めかパワハラを受けているのではないだろうな。そんな事も推測し始めた。




