良きライバルは良き友
「臼杵さん、ドラマ原作賞書いてる」
6月に入り、会議中にそれとなく問掛けた。
「書いてますっていうか、もう書き終わって見直してます」
臼杵は自信ありげ。もう受賞したかの如く破顔。
「そう。じゃあ後は成稿して送るのみだね」
大石さんは我が事のように嬉しそう。
「ナギジュンちゃんはどんな調子?」
げっ! 大石さん私にも……そりゃ振って来るよなあ。
「私はもう見直し、成稿も終わりました」
「そう。なら送るだけだ」
大石さんは破顔してるけど大嘘。書き終わったのは本当だけど、まだ成稿までは行っていない。
「ナギジュンちゃん、絶対負けないから」
何なのこの子!? また不敵な笑みを浮かべちゃって。目もマジだし。
「私だって智弥ちゃんには負けたくないから頑張る」
私も意識して不敵な笑みを浮かべる。
「お互い頑張ろうね」
智弥ちゃんは今度は柔和な笑みに変わる。この子、ガチで侮れないし私は気が抜けない。
「ライバルがいるって事はお互い鎬を削って成長して行くんだよ。2人共頑張ってね」
大石さんは微笑みを浮かべてはいるが、ナギジュンと臼杵との間にはまた火花がバチバチ状態。
だがこの2人、別に啀合っている訳ではないようで、この前はTTH内の社食で向合って座りお茶していた。ファッションやこれからの理想を語り合っていたらしいが、ライバルでもあり良き友人でもあるようだ。
サイレントマジョリティのオレには解らない心理だ。なのだが……。




