ジュースシューティング 2
感想ください。
誤字脱字、改善点などがあれば教えて下さい。
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同日 一三時○○分
同所
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射撃場に造られたコンクリート製の建物。
天井はなく、複数ある出入口に内部は部屋や廊下が複雑に入り組んでいる。コンクリート製なのは弾が貫通しないようにするためであり、分厚いコンクリートには無数の弾痕がのこっていた。
そこはキルハウスと呼ばれる建物であり、室内戦闘の訓練を行う為の建物だ。
午前中の訓練はいわばウォーミングアップでありこれからが本番になる。
小銃に弾を装填すると拳銃に弾を装填する。
キリエは銃の装填を終えると式神を起動していた。
「〈ライトヒール〉」
式神を起動したキリエに、一緒に居たシーナが治癒魔法を発動する。
キリエは、式神の操作確認を終えると、治った左手中指に左手で左目を覆うと式神から映像が伝送されているかを確認する。左目に映る景色に映像は正常に伝送されており、式神は正常に起動していた。
「準備完了」
「始めようか」
キルハウスの入り口から少し離れた位置。
リレアを先頭にシーナ、キリエ、エリシーの順でフォーマンセルを形成する。
リレアが後ろを見ると、返ってきた頷きに三人の準備は完了していた。
「状況開始」
そう言うと前進するリレアにシーナ、キリエ、エリシーが追従する。
キルハウスの入り口。リレアは扉の前で停止するとハンドサインを出した。
頭の横で両目を指す動作をすると扉を指さす。見ろ、というハンドサインにキリエは左手で左目を覆うと式神を操作する。
「一人居る」
「了解」
扉の隙間から式神で中を覗くと通路に一枚のマンターゲットが見えた。
リレアは、ドアノブに触れると施錠の有無の確認を行う。少し開こうとして、しかし、開かなかった扉に、扉は施錠されていた。
扉に左手を着くと魔法を発動する。
「〈ヒートチャージ〉」
ドーン。
パパパーン。
ドアノブを爆破すると、爆発の衝撃で開いた扉に、見えたマンターゲットを撃つ。的に空いた三つの孔に、的を撃つとキルハウス内に侵入する。
右に曲がっている通路にクリアリングを行う。通路の先に的はなくそのまま進むと右に部屋があった。
扉の閉まっている部屋に停止すると見ろ、というハンドサインを送る。
キリエは、式神を操作すると扉の隙間から中を覗くと、二枚のマンターゲットが見えた。
マンターゲットは一枚が入って正面、一枚が斜め左と、扉に対してクロスファイアを形成する形で配置されていた。
「正面に一、左に一」
「了解」
リレアは、ドアノブに触れると施錠の有無の確認を行う。少し開くと、開いた扉に、扉は施錠されていなかった。
扉を開くと突入したリレアにシーナ、キリエが追従する。
パパパーン。
パパパーン。
目線と同じ方向を向いている銃口に、的が視界に入った時には照準はほぼ終わっている。
中に入ると真っ先に目につく正面のマンターゲットを撃ったリレアに、次に入ったシーナが斜め左のマンターゲットを撃つ。
二枚のマンターゲットを撃ったリレアとシーナに、だが部屋にはもう一枚的が設置されていた。
入って直ぐ左の奥、外からは見えない死角に的は隠れるように設置されていた。
パパパーン。
リレアは、正面の的を撃つと的から視線を外す。死角を確認すると隠れていた三枚目のマンターゲットを発見すると撃った。
部屋を見渡しもう部屋に的がないかを確認する。
「「「クリア」」」
リレアにシーナ、キリエはオールクリアを確認すると部屋を出る。
エリシーは、突入はせずに代わりに通路で前方警戒を行っていた。
部屋を出ると前方警戒を行うリレアに、エリシーは後方警戒をする。そうして再びリレアを先頭にフォーマンセルを形成すると前進する。
すぐに新しい部屋の前に来る。
新しい部屋の扉は開かれていた。
リレアは、扉の外から見える範囲をクリアリングすると部屋に入り死角となっている部分をクリアリングする。
「クリア」
一発も撃たなかった部屋に的はなかった。
部屋を出ると再びリレアを先頭にフォーマンセルを形成する。
曲がり角や扉の開いている部屋など目視での確認が行える場所につてはクリアリングを行い、扉の閉まっている部屋など目視での確認が困難な場所については式神で偵察を行うと前進する。
パパパーン。
パパパーン。
「「「クリア」」」
「状況終了」
そうして最後の部屋をクリアしたことで全部屋、全通路の安全化が終了し、キルハウスが終了する。
終わったのは一回目であり、キルハウスを出ると待機位置に戻る。と、二回目の準備を行う。
机の上に置かれているアモ缶に、先ほどのキルハウスで使用した弾倉を取り出すと弾倉に弾を装填する。
キルハウスには複数の出入口がある。
フルになった弾倉を銃に挿し弾を装填すると、今度は一回目とは別の入り口から別の経路でキルハウスを攻略する。
そうして三回目のキルハウスが終了した時だ。
「ねえ、勝負しない?」
キルハウスでの訓練は緊張の連続であり気力体力ともに極度に疲弊する。切れ始めてきた集中にリレアは息抜きも兼ねて提案した。
「勝負ってタイムアタック?」
「そう。スタートで中に入って全部の的を撃ったらゴール。で最下位が皆にジュース奢り!」
確認するように尋ねたエリシーに、「タイムアタック?」と尋ねたのはそれが皆でよくしている遊びだからだ。
リレアは、キルハウスの訓練では毎回と言っていいほどタイムアタックを行っていた。そして、最下位が皆にジュースを奢るまでがいつもセットになっている。
「いいよ」
何度も行っている遊びに全員が二つ返事で参加する。
「順番は?」
「じゃんけんで」
「最初はグーじゃんけんぽん」
じゃんけんで決めた順番に一番がリレア、二番がキリエ、三番がシーナ、最後がエリシーになった。
「私が一番か」
タイムアタックのスタート位置はキルハウスの入口の少し手前。
リレアは、土の地面に足でスタートラインを引くと、引いたスタートラインの上に立った。
手にしている拳銃に、拳銃は小銃よりも短くそのぶん取り回しが良い。また、軽いためその分早く走ることができる。持っていない小銃に、小銃は机に置いてきていた。
リレアのサブウェポンはM1911A1。
同じ銃を携行しているエリシーにキリエ、シーナに、拳銃は軍の装備品。
リレアは、拳銃の遊底を引くとスライド止めを掛けて薬室を開放する。弾倉を挿入すると遊底止めを解除すると、カシャ、と遊底が前進し薬室に弾が装填される。
「キリエ、計測お願い」
用意したストップウォッチに、タイム計測は実施者の次の者が行う。
拳銃に弾を装填すると構えたリレアに、その横にストップウォッチを持ったキリエが立つ。
「アユーレディ、スタンバイ……ゴー!」
瞬間走り出したリレアに、キリエはストップウォッチのボタンを押すと、その後ろを着いて行く。
キルハウスの入り口。訓練ではクリアリングを行う個所に、だが今はタイムアタックであり、そんなことをしていてはタイムロスになってしまう。
パン。
リレアは、勢いのままキルハウスに入ると視界に映った的に、銃を構え一発撃つとすぐに次へ行く。
何度も行ってきた訓練にキルハウスの構造は頭の中に入っている。だが、的の配置は都度変えている。頭に入っていない的の配置に部屋を一瞥し、的の有無を確認する。的があれば撃ち、的が無ければすぐに次へ。
パン。
最後の的を撃ったリレアに、キリエはストップウォッチを止めた。
「タイムは?」
振り返ると尋ねたリレアに、キリエはタイムを伝える。
次に撃つ番に、キリエはスタートラインに立つと銃に弾を装填した。計測を行うのはシーナ。
「アユーレディ、スタンバイ……ゴー!」
キルハウスに入ると的を撃っていったキリエに、それが終わるとシーナも的を撃っていく。
撃ち終わると待機位置に戻ったキリエに、シーナも撃ち終わると待機位置に戻った。
待機位置にある机にその上に置かれた紙。シーナはペンを手に取ると紙に自身のタイムを書く。
紙には現在撃った三人のタイムが書かれており、現在の順位は一位がシーナ、二位がキリエ、三位がリレアとなっていた。
最後に撃つエリシーに、これで結果が決まる。
エリシーは、スタートラインに立つと銃に弾を装填した。計測を行うのはリレア。
「アユーレディ、スタンバイ……ゴー!」
スタートしたエリシーに、リレアはトップウォッチのボタンを押すと、その後ろを着いて行く。
パン。
キルハウスに入ると入り口の的を撃つとすぐに次へ。通路を走り、的のある部屋の前で減速すると中には入らず部屋の外から的を撃つ。
パン。
最後の的を撃ったエリシーに、リレアはストップウォッチを止めた。
撃ち終わったエリシーと、計測を行っていたリレアが待機位置に戻って来る。ペンを取ると紙にタイムを書くエリシー。それをキリエとシーナがそれを覗き込む。
「負けたー」
「こういうのは大体言い出しっぺが負けるんだよ」
「三位が……」
結果は一位がシーナ、二位がエリシー、三位がキリエ、最下位がリレアだった。
「で、何にするの?」
「私はマウンテンデューで」
「私もマウンテンデュー」
「私はコーラで」
キリエにエリシーが愛飲する物を、シーナが飲みたい物を口にする。
「エリシーとキリエがマウンテンデューで、シーナがコーラね。了解」
負けてしまったリレアに、だがこれに自身の分を加えても出費は四ドル程度で許容範囲内だ。
ジュースは帰ってからであり、リレアにとってはならなかったが息抜きも終わったことにリレアを先頭にシーナ、キリエ、エリシーはフォーマンセルを形成すると新たな入り口からキルハウスを再開する。




