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ジュースシューティング 1

感想ください。

誤字脱字、改善点などがあれば教えて下さい。

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H.W.一一八年 五月七日 〇八時〇〇分

ヴィークネーク演習場 屋外射撃場

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演習場内に設けられた屋外射撃場。

周囲を囲む山肌はそのまま停弾堤として役割を果たしており、万が一弾を外したとしても射撃場の外に被害は出ないようになっている。

空は雲一つない快晴で、朝の澄んだ空気が山中に広がっていた。

 射撃場に到着するとまず射撃の準備を始める。

 的を設置し、弾倉に弾を込める。


 折り畳み机を用意すると作った待機位置に、リレアとエリシーはOD色の直方体の缶を手に集まる。

 どん、と机の上に置いたそれはアモ缶だ。

机にはシーナとキリエも集まっており、アモ缶を開けると、中には紙箱がきれいに整頓されて入っていた。

紙箱を取り出し、開けると中には5.56×45mm NATO弾が二〇発入っていた。

 アモ缶とは弾の入った箱で、側面に表記された5.56mmは中に入っている弾を示していた。


 リレアにキリエ、シーナが使用している小銃の弾倉の装弾数は三〇発。

紙箱を二つ取ると弾倉に弾を装填していく。


 一箱開け二〇発弾を装填すると、もう一箱開け一〇発弾を取り出すと装填する。

二〇発目以降はバネの抵抗が強くなり。三○発目ともなると力いっぱい押し込まなければ入らない。

最後の一発を押し込むとフルになった弾倉に、背面を掌で叩くと次の弾倉に弾を込める。

 一〇発残っている箱に、一〇発弾を装填するとアモ缶から一箱取って二〇発弾を装填する。

 二〇発弾を装填すると、もう一箱から一〇発弾を装填する。一〇発弾を装填すると、もう一箱から二〇発弾を装填する。それを繰り返す。

 今日の天気など、他愛もない話をしながら弾込めをする。

慣れた手つきに弾込めの速度は皆同じ。エリシーが一足先に終わると、少し遅れてリレアにシーナ、キリエが同じようなタイミングで終わる。


「よし撃とう!」


机に立てかけていた小銃を手に取ると用意した的へと向かう。

リレアは、射撃の容量を説明する。

リレアにシーナ、キリエ、エリシーは的から五ヤード(約四・六メートル)のラインの上に立つと銃に弾を装填する。


 リレアは、澄んだ碧眼に伸ばした方が美しいだろう綺麗な金髪をバッサリと切っていた。

 リレアは、小銃手でありメインウェポンはコルトM727。

同じ銃を携行しているキリエとシーナに、それは軍の装備品。


 リレアは、小銃の槓桿を引くとスライド止めを掛けて薬室を開放する。フルで入っている弾倉は薬室が閉鎖している状態では挿さりにくい。薬室を開放したことで簡単に挿さった弾倉に、スライド止めを解除すると、ジャキ、とスライドが前進し薬室に弾を装填される。


 切替えレバーを単射から連射に入れる。

銃床を肩に付け据銃した姿勢から銃口を下に数十度下げるとローレディと呼ばれる姿勢を取った。

 的は紙製のマンターゲット。

 リレアは、マンターゲットの中心部を見据えると銃を構える。

 リレアの小銃にはドットサイトが付けてある。

 ドットサイトを覗くと一ミリ程の小さな赤い点が見える。そのドットをマンターゲットの中心に重ねると引金を引いた。


パパパーン。


 短連射で三発撃つと引金から指を放す。

 三発撃つのは、人は一発程度では死なないからだ。

 的の中心部に空いた三つ孔に、弾は狙った場所に当たっていた。

 銃口を下げローレディの姿勢に戻ると、銃を構える。

パパパーン。


 三発撃つとローレディの姿勢に戻りまた三発撃つ。

 撃ったリレアに続きエリシーに、キリエ、シーナも撃ち始めていた。


パシューン、パシューン、パシューン。


 静かな銃声が響く。

 エリシーは、いつも帽子を被っている。翡翠色の瞳に、若竹色の髪の隙間からは長く尖った耳が覗いていた。

特徴的な耳に、エリシーの種族はエルフ。

昔、エルフは弓の名手だった。飛び道具が弓から銃に代わった現代、手にしているのは狙撃銃。

 エリシーは、狙撃手でありメインウェポンはM14。

 それは軍の装備品であり、狙撃銃仕様に改造された小銃にはスコープにサプレッサーが付けてある。


 立った五ヤードのラインに、的に向かって三発撃つとローレディの姿勢を取りまた三発撃つ。

何故狙撃手が近距離の射撃を行っているのかと言うと今日がそのような訓練の日だからであり、また、それが必要な技能だからだ。

 昨夜の任務では建物の屋上から狙撃を行った。

 屋上へと上った建物に、しかし、その建物が最初から安全だったかと言うとそうではない。建物には敵が潜んでいたかもしれず、構えた銃にクリアリングを行うと安全化をしながら上って行っていた。

もしそこに敵が居たならば近距離での戦闘が生起する。


 エリシーが使用している狙撃銃の弾は7.62×51mm NATO弾。それはリレアやキリエ、シーナが使用している小銃の弾よりも大口径で威力が高い。その分反動も強く、連射すれば銃口は大きく跳ね上がる。


パシューン、パシューン、パシューン。


スコープを覗くと、倍率によって拡大された視界の中、レティクルをマンターゲットの中心に合わせると単射で三発。一発撃つと反動でずれた照準に、反動制御を行うとレティクルをマンターゲットの中心に合わせ一発一発を確実に当てていく。


パパパーン。

パパパーン。

パパパーン。

パシューン、パシューン、パシューン。


 いくつか空になった弾倉と、それに伴って孔だらけになったマンターゲットを新しいものに交換すると、別の射撃に移る。

 人数分ある的に五ヤードのラインに立っているのは一人。他のメンバーはラインの後ろで待機していた。


 キリエは、銀灰の瞳に、桜色の髪を肩にかからない程度に後ろで結んでいた。

 キリエは、斥候。

 今から行うのは移動しながらの射撃。

 銃に新しい弾倉を挿入するとスライド底止めを解除して弾を装填する。


「撃つよ」

「了解」


並べられた的に、的の方を向くと、的に向かって平行に歩き出す。


パパパーン。


 的が自身の正面に来るとマンターゲットの中心を狙って連射で三発撃つ。

 歩きながらの射撃は難しい。動いていることで照準や銃口も常に揺れ、また、重心の移動と据銃姿勢の変化で銃の反動はより複雑になる。連射ともなればなおさらだ。当てることを意識すれば無意識のうちに体は立ち止まってしまいそうになる。しかし、立ち止まることはしない。


パパパーン。パパパーン。


 移動し続け、的が自身の正面に来るたびにマンターゲットの中心を狙って三発撃つ。


 シーナは、淡い碧眼に、灰みを帯びた青鈍色の髪を肩にかからないように切っていた。

 シーナは、衛生兵。

 シーナにリレア、エリシー、キリエは髪が肩にかからないようにしている。それは、軍規で長さが決まっているからだ。


 撃ち終わったキリエに、次はシーナが撃つ。


パパパーン。パパパーン。


 キリエがマンターゲットの中心に開けていった三つの孔に、シーナは重心を安定させ出来る限り上半身の揺れを抑えると同じ場所に追従するように孔を空けていく。

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