シーズン2第14章 時間の核
白銀市の中心部。
レイ、ナツキ、シュン、そしてアヤの四人は、巨大な光の柱へ向かって走っていた。
街は完全に崩れた時間の中にあった。
ある場所では古い建物が並び、
その隣には最新のビルが立っている。
道路の半分は20年前。
もう半分は現在。
ナツキが周囲を見ながら言う。
「時間が完全に混ざってる……」
シュンが顔をしかめた。
「こんなのどうやって起きるんだよ。」
アヤが前を見たまま答える。
「普通は起きない。」
「だからこそ、ここに原因がある。」
四人の前に現れたのは、大きな研究施設だった。
レイはその建物を見た瞬間、足を止める。
「……ここ。」
ナツキが気づく。
「レイの母、ユキさんが研究してた施設?」
レイは小さくうなずいた。
「昔、鬼の研究が行われていた場所だ。」
だが施設は完全に変形していた。
壁は歪み、空間そのものがねじ曲がっている。
まるで建物が時間の中で壊れているようだった。
シュンが息を吐く。
「入るしかないな。」
四人は施設の中へ入った。
⸻
崩れた研究所
中に入った瞬間、空気が変わった。
静まり返った廊下。
だが、ところどころで空間が揺れている。
突然、廊下の奥に人影が現れた。
白衣を着た研究員。
ナツキが驚く。
「人がいる!」
しかし次の瞬間、その研究員は消えた。
アヤが言う。
「違う。過去の映像よ。」
シュンが理解する。
「つまり……この場所は時間が録画みたいに流れてるのか。」
レイは奥を見つめていた。
「中心に行けば原因がある。」
⸻
地下施設
四人は研究所の奥へ進む。
エレベーターは壊れていたため、階段を降りていく。
地下三階。そこに巨大な空間があった。
そしてその中心にあったものを見て、全員が息を呑む。
巨大な球体。
白い光を放つエネルギー体。
ナツキが震える声で言う。
「……何これ。」
アヤが答える。
「時間の核。」
そのエネルギーが、街の時間を歪ませていた。
シュンが言う。
「こんなもん誰が作ったんだよ。」
その時だった。
上から声が響いた。
「いい質問だ。」
四人が振り向く。
上の通路に一人の男が立っていた。
白いコート。長い黒髪。
目だけが異様に光っている。
レイが睨む。
「……誰だ。」
男はゆっくり階段を降りてきた。
そして静かに名乗った。
「私はクロノス。時間を研究する鬼だ。」
ナツキが構える。
「この街をこうしたのはあんた?」
クロノスは微笑んだ。
「その通り。ここは実験場だ。」
シュンが怒る。
「街一つ実験に使うとかふざけんな!」
クロノスはまったく動じない。
「世界はもっと面白くなる。時間を支配すればね。」
レイが前に出る。
「……それで何をするつもりだ。」
クロノスはゆっくり腕を広げた。
背後の時間の核がさらに光を強める。
「この世界を最初から作り直す。」
その瞬間、核が激しく暴走した。
白銀市全体が大きく揺れる。
ナツキが叫ぶ。
「レイ!」
シュンが拳を燃やす。
「戦うしかねぇ!」
クロノスは静かに言った。
「来い。時間を超えられるならな。」
レイたちは一斉に構えた。
白銀市の運命をかけた戦いが
今、始まる。




