シーズン2第13章 白銀市・侵入
北海道、白銀市上空。
レイたちの戦闘機は、歪んだ空間を避けながらゆっくりと高度を下げていた。
街の中心から立ち上る巨大な光の柱は、近づくほど異様さを増していた。
空間が揺れている。
まるで、街そのものが別の時間へ引き裂かれているようだった。
シュンが通信で言う。
「……これ、本当に街か?」
ナツキもレーダーを見ながら呟く。
「鬼反応が増え続けてる。
しかも普通の鬼じゃない…全部、時間歪みの反応が混ざってる。」
レイは静かに答えた。
「つまり、あの柱が原因だ。」
⸻
白銀市への着陸
三機の戦闘機は、市街地の外れにある廃空港へ着陸した。
本来なら避難が完了しているはずの街。
だが、辺りには奇妙な静けさが漂っていた。
風の音だけが響く。
レイたちは戦闘装備を整え、市内へ歩き出した。
街へ入った瞬間、シュンが足を止める。
「……おい。」
三人の前に、信じられない光景が広がっていた。
道路の半分は現代の街並み。
もう半分は20年前の古い町だった。
建物の形も違う。
看板の文字も古い。
ナツキが小さく呟いた。
「時間が……切れてる。」
⸻
過去の街
レイはその古い街を見つめていた。
「……ここ。」
ナツキも気付く。
「レイの生まれた病院……この辺じゃなかった?」
レイは頷く。
「そうだ。」
つまりこの街は今、
過去と現在が同時に存在している。
シュンがため息をついた。
「マジでやばい場所だなここ。」
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鬼の襲撃
その時だった。
路地の奥から黒い影が飛び出した。
「来るぞ!」
レイが叫ぶ。
次の瞬間、十数体の鬼が現れた。
だが普通の鬼とは違う。
体が半透明になり、
時々姿が揺れている。
ナツキが分析する。
「時間の歪みで実体が安定してない!」
シュンが笑った。
「なら、まとめて吹き飛ばす!」
シュンの拳が炎に包まれる。
火の血気術
「炎拳!」
爆発と共に鬼が吹き飛ぶ。
レイも風をまとった。
「風刃!」
空気の刃が鬼を切り裂く。
ナツキは水を操る。
「水流刃!」
三人の連携で鬼たちは次々と倒されていく。
しかし。
倒した鬼はすぐに霧のように消えた。
ナツキが眉をひそめる。
「……倒しても消えるだけ。」
「本体は別にある。」
⸻
声
その時だった。
街の中心から声が響いた。
『やっぱり来たね。』
レイの体が固まる。
その声は聞き覚えがあった。
レイはゆっくり振り向く。
ビルの屋上に、一人の女性が立っていた。
長い髪が風になびいている。
黒いコート。
そして鋭い目。
レイが呟く。
「……アヤ。」
レイの姉だった。
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姉との再会
アヤはゆっくりと屋上から飛び降りた。
地面に静かに着地する。
ナツキが小さく言う。
「本当に…ブラックタイガーの隊長だった人。」
シュンが拳を握る。
「敵か?」
アヤは笑った。
「安心して。」
「今日は戦いに来たわけじゃない。」
レイが睨む。
「じゃあ何しに来た。」
アヤは白銀市の中心を指さした。
そこには光の柱。
「……あれを止めに来たのよ。」
レイたちは驚いた。
シュンが言う。
「は?」
ナツキも戸惑う。
「どういうこと?」
アヤは静かに言った。
「これはブラックタイガーの計画じゃない。」
そして続けた。
「もっと古い存在が動いてる。」
レイが低く聞く。
「……誰だ。」
アヤは空を見上げた。
「鬼の歴史より前から存在してるもの。」
その時。
街の中心から巨大な衝撃波が広がった。
光の柱がさらに巨大化する。
地面が揺れる。
ナツキが叫ぶ。
「反応が急上昇してる!」
レイは柱を見つめた。
そして言った。
「……行くぞ。」
「この街の中心へ。」
四人は、時間が崩壊する街の奥へ走り出した。




