シーズン2第12章 白銀市封鎖
ホワイトホース本部の格納庫。
夜の静寂を破るように、戦闘機のエンジンが低く唸り始めていた。
神崎レイ、ナツキ、シュンの三人は、久しぶりに最前線へ向かう準備をしていた。
巨大モニターには、日本地図と共に赤い警告表示が点滅している。
北海道 白銀市
そこが、世界各地で発生している時間異常の中心だった。
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出撃前ブリーフィング
司令室で作戦説明が始まる。
司令官が画面を指し示した。
「白銀市では現在、時間の乱れが急速に拡大している。」
画面に映し出された映像には、信じられない現象が映っていた。
街の一部が突然古い建物に変わる。
次の瞬間には未来のような高層建築が出現する。
ナツキが息を呑んだ。
「……時間が、混ざってる。」
解析官が説明する。
「現在確認されている現象は三つ。」
1.過去の建造物の出現
2.未来の物体の出現
3.同一人物の時間重複
シュンが眉をひそめた。
「つまり……同じ人間が二人いるってことか?」
「その通りだ。」
部屋の空気が一気に重くなる。
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白銀市封鎖
司令官は続けた。
「日本政府はすでに白銀市を完全封鎖した。」
画面に表示されたのは、封鎖された都市。
•自衛隊
•ホワイトホース
•警察
三重の包囲網が敷かれていた。
「現在、市内に残っている住民は避難中だが……」
司令官は言葉を止めた。
「時間異常に巻き込まれた者が多数いる。」
レイは画面を見つめたまま呟いた。
「……俺たちの生まれた街で、こんなことが。」
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ユキの証言
その時、部屋の扉が開いた。
入ってきたのはレイの母、ユキだった。
研究者として、この事件の解析に参加していた。
「白銀市の地下には、昔鬼研究施設がありました。」
レイが振り向く。
「……母さんの研究所か?」
ユキは静かに頷いた。
「ええ。だけど、あそこは戦争の後に完全封鎖されたはず。」
ナツキが尋ねる。
「じゃあ、誰が動かしてるの?」
ユキはモニターのデータを見つめた。
「わからない……でも、この反応は」
彼女は少しだけ震えた声で言った。
「鬼の力だけじゃない。」
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出撃
説明が終わると、司令官が三人を見る。
「今回の任務は調査と制圧。」
「時間異常の中心を突き止め、必要なら破壊する。」
シュンが笑った。
「また世界救う仕事かよ。」
ナツキは小さく息を吐いた。
「でも……行くしかないよね。」
レイは静かに言った。
「白銀市は俺たちの始まりの場所だ。」
「なら、終わらせるのも俺たちだ。」
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北海道上空
数時間後。
三機の戦闘機が夜の空を切り裂いていた。
操縦席の窓から、レイは白い大地を見つめる。
北海道。
その中央に、黒い影のような都市が見えた。
白銀市。
しかし街の上空には、異様な光景が広がっていた。
空間が歪み、空が割れたように光っている。
ナツキの通信が入る。
「レイ……あれ見て。」
レイが前方を見る。
街の中心に、巨大な光の柱が立っていた。
それはまるで
時間そのものが噴き出しているようだった。
シュンの声が響く。
「……おい、冗談だろ。」
「都市一つ丸ごと、時間が壊れてる。」
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不気味な反応
その瞬間。
レイの腕の端末が警告音を鳴らした。
ピッ…ピッ…ピッ…
画面に表示された反応。
それは信じられないものだった。
ナツキが読み上げる。
「……鬼反応。」
シュン「いくつだ?」
ナツキの声が震える。
「数えきれない。」
街全体が鬼の反応で埋め尽くされていた。
レイは低く呟いた。
「……誰かが、鬼を集めてる。」
その時だった。
通信機に、聞き覚えのある声が入る。
『久しぶりだね、レイ。』
レイの目が見開かれた。
その声は――
姉、アヤだった。




