シーズン2 第1章 「新たな日常」
ブラックタイガーとの長い戦いが終わってから、2年の月日が流れた。
あの壮絶な最終決戦の硫黄島の夜が嘘のように、今の世界は穏やかだった。
ホワイトホースと各国の協力によって、鬼と人間の共存が少しずつ進み、
街の中では鬼族の姿も珍しくなくなっていた。
世界は確かに変わり始めていた。
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■ レイの日常
神崎レイ――18歳。
高校3年生になった彼は、母・ユキ、姉・アヤと三人で静かな日々を過ごしていた。
朝は姉に叩き起こされ、
昼は学校で友人たちと笑い合い、
放課後は若手鬼族の訓練所で教官として指導にあたる。
「そこ!構えが甘い!」
「血気術は力じゃない、心で制御しろ!」
その声はもう、かつての戦士ではなく――次の世代を導く教官の声だった。
ミカは本部で指導官として働き、ミサキは医療班に復帰していた。
一家は戦いを経て、ようやく「家族」としての時間を取り戻したのだ。
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■ ナツキとシュン
ナツキもまた、母と一緒に平和な暮らしを送っていた。
彼女も訓練所の副教官としてレイと共に後進を育てている。
「レイ、またあの子寝坊したよ?」
「おいおい、俺の生徒だぞ。ナツキ、今日は容赦するなよ」
「ふふっ、もちろん。」
シュンはホワイトホースの技術班に正式配属され、
かつて戦闘に使われた戦闘機「ネオ・フェザー」の改修チームに所属。
今では若手の技術者として活躍していた。
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■ 新しい任務
その日の午後、レイとナツキは訓練所で若手たちの模擬戦を見守っていた。
訓練を終えた後、ホワイトホース本部から連絡が入る。
「神崎教官、桐生教官。新任務の通知です。
来週より、ロンドン支部の交流訓練に参加していただきます。」
ロンドン――2年前、ナツキの母と再会したあの地。
世界はもう戦場ではない。
だが、平和を守るための“力の継承”はまだ続いている。
レイは空を見上げ、穏やかに微笑んだ。
「また行くことになるか。
今度は戦いじゃなく、未来を教えに、だな。」
ナツキがその隣で笑う。
「うん、今度は笑顔で行こう。ね、レイ。」
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世界はようやく「鬼ノ境界」を越え、
新たな時代――“共存の時代”へと歩み出していた。




