第24話 桜琳の足
今回は桜琳がみなほに足を見せます。
寮の桜琳の部屋で、普段は穿いている厚目のレギンスを脱ぎ、みなほに足を見せる。
夏でもレギンスを穿き、部活ではジャージを穿いて絶対に見せない桜琳の足が、徐々に露になっていきます。
わたしと桜琳は寮に入ると、桜琳の部屋へと向かう。
寮に入るのは初めてだけど、勝手に入ってもいいのかな?
寮のルールとか知らないけど、すれ違う他の生徒は桜琳とわたしに挨拶をするので問題はないのかな。
少し気になるけど、制服だから気にしないことにして桜琳の部屋に入る。
部屋に入ると、桜琳の部屋と言っても寮の部屋だから味気ない。
あるのは2人部屋なので2つの机とベッドにクローゼット、そしてテーブルが1つあるぐらい。
(でも、桜琳の部屋はこんなイメージかも)
わたしがこう思っていると
「みなほ座って……」
と桜琳が先に座るけど、わたしはテーブルを挟んで桜琳の反対側に座る。
「二人部屋ってことは、ルームメイトがいるんだよね」
わたしは座ると、桜琳にルームメイトのことを尋ねる。
「いるけど……部活で遅い、みなほが来ることも伝えてある……」
「そうなんだ」
桜琳はルームメイトにわたしのことを話してあり、準備はできていた。
つまり、昨日の時点で足のことを話すと決めていたことになる。
わたしはそれを知ると、真剣に話を聞く準備をする。
緊張でごくりと唾を飲んで、桜琳が話すのを待つ。
すると桜琳は
「……ちょっとまって」
と言って立ち上がる。
そして机の引き出しを開けると、何かを取り出すと再び座る。
「桜琳、何を出したの?」
わたしが聞くと
「ラムネ……みなほも食べる?」
と言って、ラムネのパッケージをテーブルに置く。
「え~と、ラムネ?」
わたしがよくわからなくて尋ねる。
「私は……ラムネが好きだから……あと、ラムネがあると考えがまとまる……」
「そうなんだ」
桜琳はお汁粉が好きだったけど、ラムネも好きなんだ。
わたしより細いのにな……。
意外と甘いものが好きなのに、細い桜琳は本当に羨ましい。
「みなほも食べる?」
わたしが羨ましいと思ってると、桜琳がラムネを差し出す。
「それじゃ、もらうかな」
パッケージの口が空いてるので、わたしは1粒だけ手に取る。
「もっと食べていい……よ」
桜琳が語尾に「よ」をつけるけど、普段の口調と違ってなんかかわいい。
わたしはまた笑いそうになったけど、真剣な話をする前だから我慢する。
そして、桜琳もいつもの表情をしているから、無意識に言ったのかな?
わたしはラムネをさらに3つ取ると、そのまま口にする。
口の中に酸味と甘みが広がるけど、ラムネはブドウ糖だから集中力が増すような話をネットで見たような。
本当なら、これからする話に集中できるかな。
桜琳もわたしもラムネを食べ終わると、桜琳は足を伸ばす。
そして、何も言わずに、いつも履いている厚目のレギンスを脱ぎ始める。
「……」
わたしは黙ってその様子を見ている。
部活の時でさえ、ジャージのズボンで足を隠している。
制服の時は、厚目ストッキングやレギンスを穿いている。
冬は涼しい時はもちろん、夏でも穿いている。
それだけ絶対に足は見せたくないという、強い意志がある。
その桜琳がわたしに足を見せる。
レギンスが降ろされると、白い肌が露になる。
部活をやっているせいか、わたしも桜琳も日に焼けている。
顧問の先生の許可を取って、日焼け止めを塗ってるけど、結局は汗で落ちる。
だから、どうしても日に焼けてしまう。
でも、普段から覆われている桜琳の足は白い。
そして、レギンスやジャージのズボンを穿いていても細いとわかる足が、さらに細く見える。
(太ももなのに、わたしの足首ぐらいしかないんじゃないのかな……)
制服のスカートと、降ろされたレギンスの間から少し見えた桜琳の太もも。
太ももなのに、わたしの足首しかないんじゃないかと思うぐらいに細い。
でも、ただ細いだけでなく、アスリートらしく筋肉が締まっている。
だから、細いのに力強さを感じる。
(同じ太ももだと思えない……)
わたしは思わず自分の太ももに触れる。
自転車に乗るようになって、締まってはきたけど太さが全然違う。
自転車で使う筋肉と、走るための筋肉は違うとはいえ、それでも違いすぎ。
わたしの太ももは元々太いけど、以前と違い鍛えられて筋肉がついて太い。
でも、女の子としては、やっぱり桜琳の足の方がいいかなと思う。
わたしが桜琳の足を羨ましいと思っていると、レギンスはひざ下まで降ろされる。
小学生の時に事故でケガをしたと言うけど、ここまでは傷跡がない。
大きな事故で、走れなくなるとも言われたけど、今は走りたくてうずうずしてる。
しかし、走れるようになっても、人前では足は見せない。
大会の時はどうしているか気になるが、後で聞いてみることにする。
レギンスがひざ下からさらに降ろされると、傷跡が見えはじめた。
桜琳の綺麗な肌ににつかわない、大きな手術をしたと思う傷跡が、ひざ下からふくらはぎまで続いている。
(これが桜琳の足……)
わたしが最初に出た感想がこれだった。
傷跡は年月が経ち、成長をしたからなのか、大きな跡ではあるけど生々しさはない。
確かに桜琳の細い足と白い肌にはにつかわない。
でも、気持ち悪さや痛々しさは感じない。
むしろ、手術の跡だとわかり、これで桜琳の足が良くなったと思うとホッとする。
でも、さらにレギンスをおろすと、右足が左足と比べて真っすぐやない感じがする。
何というか、骨が少しずれている感じに見える。
膝を曲げているのもあるかもだけど、それでも少しずれを感じる。
(治療がうまくいかなかったのか?)
わたしはこう思うけど、お父さんが自転車で転んで骨折した時に
『固定することにより真っすぐ骨がくっつく』
と言っていたことを思い出した。
だから、桜琳のケガのひどさが想像できた。
「みなほ……これが私の足……」
桜琳はレギンスを全部脱ぐと、普段は見せない足が全て露になった。
手術の跡がひざ下から足首の手前まで伸びている。
そして、事故によるアザというか、肌の色が違う部分がある。
さらにさっきわたしが感じた右足のずれも、足を伸ばすと骨の位置がずれているのがわかった。
傷跡がある桜琳の足なのに、それを見てわたしから出たのは
「……細くていいな」
と桜琳の足の細さを羨む言葉だった。
「……」
わたしの言葉に桜琳は無言になり、そして下を向く。
(しまった、これはさすがにまずい!)
わたしは思わず出た言葉だったけど、この言葉はさすがに桜琳に失礼すぎる。
傷跡がある足を見てこんなことを言ったら、桜琳じゃなくても怒るに決まっている。
わたしは慌てるけど
「桜琳、これは……え~と……」
言い訳をしようとするも言葉が出ない。
桜琳は顔を上げて、慌てるわたしを無言で見ると
「みなほなら見せれると思ったから……」
と言って、普段表情が変わらない桜琳が、誰が見てもわかる笑顔になる。
そして、その笑顔はとても嬉しそうで、桜琳が嬉しがる顔をわたしは初めて見たのだった。
お読みいただきありがとうございます。
桜琳の足は、手術のよる傷跡と事故によるアザなどが残っています。
しかし、普段から厚めのレギンスやジャージを穿いていることにより、肌は白いです。
傷跡は小学生の時の事故なので、成長もあり生々しさはなく、手術の傷なのでそこまで酷いものでないです。
ただ、時間が経っても消えないアザや色素の沈着はあったりします。
骨折も、1か所が折れたというより、粉砕まではいかないものの、それぞれの足が脛骨と腓骨が数か所折れた感じです。
なので、固定するための手術をたため、手術婚が大きいです。
そんな傷があるのに、細くて羨ましく思うのがみなほらしいですかね。
桜琳も驚いたり、慰められるのでなく、率直な感想を言ってもらえたことにより、喜んでいます。
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