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共に走る  作者: しいず


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23/25

第23話 桜琳と寮へ向かう

桜琳はみなほに足のことを話すのを決め、部活を休むことする。

放課後、桜琳の寮の部屋で話をするため、2人で寮で向かう。

お弁当を食べると、桜琳と寮の部屋で足のことを話すと約束する。

わたしは昨日ケガと自転車が破損で、今日の部活は休むことにする。


 昼休みの残り時間に、顧問の先生に伝えに行ったけど桜琳もついてきた。

そして、わたしが部活を休むと言うと


「私も……今日は部活を休みます」


と桜琳も部活を休むと顧問の先生に伝えた。


 これに対してわたしは驚いたが、顧問の先生は


「彼女が怪我をしたからな、仕方ないな」


と言って、あっさりと桜琳も部活を休むこととなった。


(もしかして、桜琳が部活を休むことに驚いているのはわたしだけ!?)


わたしはこう思うが、顔に出さないようにする。

そして、走ることが生きがいな桜琳が、部活を休むくらい重大なことだと理解する。


(桜琳が覚悟を決めたから、わたしも決めないとね)


桜琳が今まで隠していた足のことを話すのだから、わたしも覚悟を決めた。


 ―そして放課後


 放課後になると、桜琳がわたしの席へすたすたと寄ってくる。

そして、何も言わないでわたしの腕をつかむ。


「みなほ……話があるから……寮へ行こう……」


桜琳はこう言って、腕を軽く引っ張る。


「桜琳、待ってよ、そんなに慌てなくても行くから大丈夫だよ」


「ごめん、みなほ……」


桜琳は謝って、わたしの腕から手を離す。


「別に謝らなくてもいいよ。でも、そんなに慌てなくてもいいし、わたしも自転車で転んでまだ痛いからね」


「ごめん……」


「だから、謝らなくてもいいよ」


 わたしは鞄を手にして、立ち上がる。

そして、今度はわたしが桜琳の手を取る。


「桜琳、行こうか」


「うん……」


 わたしと桜琳は手を繋いで教室を出ようとする。

すると、クラスメイトの子が


「お部屋デートですかがんばってね~」


とわたしたちの会話を聞いて笑いながら手を振る。

わたしも笑いながら手を振り返すと、桜琳と2人で教室を出た。


 教室を出ると、桜琳はわたしと手を繋いだまま一緒に階段を降りていく。

桜琳はわたしよりも速く階段を降りようとするけど、我慢しているみたい。


 いつもは階段を小走りで降りていくけど、今日はわたしと歩幅を合わせて階段を降りる。

それでも、桜琳は走りたくてうずうずしているのが、繋いでいる手の震えと、顔の表情で伝わっている。


(桜琳が走るのを我慢してる……)


わたしはこう思うと、ちょっと笑みがこぼれた。


「みなほ、どうしたの?」


わたしの顔を見て、桜琳が尋ねる。


「桜琳が走るのを我慢してるの見てたら、ちょっとね」


わたしは正直に答える。


「私が走らないのは変かな……」


桜琳は照れると言うか、不思議そうに聞いてくる。


「常に走っている桜琳が、走るのを我慢するほど、わたしのことを思っていることがわかるよ」


わたしがこう言って、にこりと笑う。


「……みなほは好きだから」


桜琳はこう言うと、顔を横に向けると同時に顔が赤くなっていく。


「わたしも好きかも。だって、桜琳はかわいいし、面白いし」


「そうかな……かわいいって言われたことない……」


桜琳が照れながら、わたしの方をちらちら見る。


「こういう所がかわいいよ」


「……ありがとう」


桜琳は照れながらお礼を言うと、いつの間にか下駄箱に着いていた。


 わたしと桜琳は靴に履き替えるため、繋いだ手を離す。

お互い靴に履き替えると、校舎を出て寮へと向かう。


 わたしは自宅通学だから、寮へ来るのは初めて。

学園内の敷地にあるため、校舎を出てしばらく歩くと寮に到着した。


「寮は近くていいなぁ」


自転車通学のわたしからしたら、校舎から歩いてすぐと言ってもいい距離だから羨ましいかも。


「走ったらすぐ着くから、近すぎる……」


桜琳は桜琳らしいことを言う。


「桜琳からしたらそうだけど、自転車通学のわたしからしたら羨ましいよ」


「わたしには物足りない……」


「だったら、わたしと変わるか、わたしの家に来る?そうしたら、一緒に走って学校に来れるよ」


わたしは冗談で言ったけど、桜琳は


「それもいいかも……走れるなら……」


と真面目な顔で言う。


「桜琳らしいなぁ。でも、わたしの家に来ると言うことは、一緒に暮らすことになるけどいいの?」


わたしは半分冗談、半分本気で桜琳に尋ねる。


「別に構わない、走れればいいから」


桜琳はこう答えるけど、やはり走ることを優先していて桜琳らしい。


「桜琳らしい答えだね。でも、わたしと一緒に住むことはうれしくないの?」


わたしはからいながら聞いてみる。


「それはそれで嬉しい……でも、一緒に住むのは、別に寮と一緒だから」


「ああ、確かにそうだね」


 わたしはからかったつもりだけど、桜琳は既に寮で共同生活をしていたんだった。

だから、桜琳にとっては、わたしの家に来ても、住む所が変わるぐらいの感覚なのかも。


(ラブコメみたくもっと照れるかと思ったけど、これはこれで桜琳らしくていいかな)


わたしはこう思うと、また思わず笑う。


「みなほ、さっきから笑いすぎ……」


桜琳が珍しく膨れるけど、考えてみたらこれから真剣な話をするんだった。

でも、桜琳がかわいくてついつい笑っちゃった。


「ごめん、桜琳。これから真剣な話をするんだったね」


わたしは謝るけど、頬を膨らました桜琳もかわいいから笑みがこぼれる。


「怒ってない……でも、私のことを見て笑うから気になっただけ……」


桜琳はわたしが桜琳を見て笑うから気になっただけだった。


「桜琳がかわいいからついね。でも、話は真剣に聞くから……」


「……わかった」


桜琳がわたしの手を掴もうとするので、わたしから桜琳の手を掴む。

わたしと桜琳はお互いの手を掴むと、そのまま寮の中に入って行った。

お読みいただきありがとうございます。


みなほが桜琳を家に来ないかと誘うも、桜琳は走れるかどうかで考えてるのが桜琳らしいです。

みなほもは半分本気ではあるものの、この答えも桜琳らしいと受け入れます。

正式な告白はまだであるけど、2人の距離は自然と縮まっています。


次回は桜琳の足の話で、あと少しで完結予定ではあります。


ツイッター

@shiizu17

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