第一章:四天王の華麗なる艱難-34
「ハァ……ハァ……」
「はぁ……はぁ……」
「ハァ……ハァ……くっ……。こ、これで、ぬ、抜けれた、かぁ?」
「はぁ……はぁ……た、多分……構造、的にぃ……」
最初の部屋の兵士アンデッドを倒してから数えて、五部屋。
その五部屋目を今さっき、ボク達は辛くも突破した。
正直、かなり、シンドイ……。
「ふっっざけやがってクソ男爵がぁ……。意味分かんねぇ間取りにしやがって……」
「ホント……ふざけてるよ、ね……」
この屋敷の作り──特に男爵が居るであろう部屋に行くまでの間取りは、およそ利便性や快適性を度外視した作りになってる。
部屋同士が直接繋がってるのは最初から分かってた。侵入者に簡単に辿り着かせないためだって適当な予測を立ててもいた。
だから奥の部屋に行く為に、ボク達は上座方向に向けて部屋を進んでいくつもりだったんだけど……。
「ま、まさか部屋同士が直線じゃなくて、九つ全部を通らせる作りしてるなんてな……。頭おかしいんじゃねぇか……」
そう。部屋は何も、奥の部屋に一直線に繋がってるわけじゃなかった。
縦横三部屋ずつ並んでるのを、順ぐりに回らなきゃならないようにしか扉が設置されてなかったんだ。
しかもただ部屋を通過するだけならちょっと面倒なだけで済んだんだろうけど、各部屋には最初の兵士アンデッドみたいに、まるでその部屋を守護するようにアンデッドが立ち塞がってた。
ああもう、ホント、ふざけてる。
「こんな事なら、さ、最初から壁、ブチ抜きゃよかったんだ……クソっ……」
「い、いや、ダメだよ……。最初の部屋の時点で気付いたならまだしも、ボク達が気付いた三部屋目じゃ、五部屋が最短……。これでも、まだ、マシ……」
構造上、必ず九部屋を回ってアンデッドを倒さなきゃならない……。
それになんとか途中で気付けたボク達は、十中八九このままじゃ辿り着く前に力尽きると確信した。
だから四部屋目を攻略した後、罠の懸念やら一切合切を無視して上座方向──九部屋目がある壁をブチ抜くことにしたんだ。
案の定壁は鉄板が挟み込まれてて簡単にはいかなかったけど、先の消耗を考えたならとりあえず試しにでも一枚は破ってみなきゃって事で頑張った。
結果、なんとか鉄板を破って、九部屋目に居たメイド長アンデッドを倒し、現在に至る感じだ。
「つか……三部屋目の門番アンデッド相手したあたりから思ってたけどよ……。段階的に強くなってんの、なんなんだっ!?」
一部屋目の最初に倒した兵士アンデッドに続いて二部屋目にはメイドアンデッド。ここら辺は温存を考えながら戦えた。
でもその次の門番アンデッドは、兵士アンデッドよりも少し強くなってた上にそれ以上に防御が固くて苦戦。
この調子じゃマズイって思いながら挑んだ四部屋の料理長アンデッドなんて、普通に《炎魔法》と《水魔法》使ってきたからね。
正直予想以上に消耗させられた。そして極め付けは──
「うん。それで言うと九部屋目相当だったっぽいさっきのメイド長アンデッドなんて、かなりヤバかったしね……」
最初に倒した兵士アンデッドが油断を誘う為だったって考えるくらい、強かった。
魔法こそ使ってこなかったものの、それを補って余りある体術の使い手で、加えて服のあちらこちらに忍ばせていた暗器による巧みな奇襲、牽制、フェイント、ブラフの数々……。
それをアンデッド特有の変則的な動きでやってきたんだ。普通に負けるかと思ったよ……。
「……なぁ、ミレー。オレちょっと嫌な予感っつうか、懸念があんだけど……」
「え? な、なに? あんまり聞きたくないんだけど……」
ハントは普段不良みたいなヤツだけど、頭の回転は案外早い。だからこういう時の彼が口にする言葉は正直侮れない。
だからこそ、あんまり聞きたくないっ!
「全部と戦ってねぇから違ってるかもしんねぇけど、強くなるごとに、役職の位も、上がってる気がすんだよな……」
……確かに。
ボク達は別にお偉いさんじゃないから使用人の順位とか詳しく知らないけど、最初の兵士に比べたら、最後のメイド長の方が偉い感じはするかな。
「んで、よう。当主本人の男爵はとか、その家族がどういうのかは一旦置いて使用人に話限定するとして……」
「う、うん……」
「使用人で一番偉いのって、メイド長……じゃないよな?」
「……」
「居るよな、普通。使用人を取りまとめる、使用人達の指示役……執事とか家令とかっていうの」
「……」
「……まだ、会ってないよな? 後ろの部屋の入ってないどれかに居たりも、多分無いよな? っつうことは……」
無意識に、二人同時に視線を動かす。
そこには壁を破って出た久々の廊下……そこにいくつかある扉の中で、明らかに他のものとは違った豪華な意匠の凝られた扉がある。
貴族事情を知らないボク達でも分かるような、明確に権力者を主張してる……ボク達の最終目的地だ。
「……一応、他の部屋覗いてく?」
「い、いやいやっ! さっきは除外したけどそれこそ男爵の家族とかとも遭遇してないんだぞっ!? 今襲って来ないんなら、わざわざ藪蛇突きに行く意味無いだろっ!」
「そ、そっか……」
「目標はあくまでも男爵一択っ! 執事や家令がこの男爵が居そうな部屋に一緒に居ない限り、他はとりあえず除外する」
そう、そうだ。ボク達の任務は特殊個体魔物の討伐。それ以外はもっと実力があって、能力に余裕がある人が求めるもの……。
特殊個体でもない強化されてるだけのメイド長アンデッドに辛勝してるようなボク達が求めるのは無謀だ。
「どうしても気になるならロセッティさんと一緒だ。それでいいな?」
「うん。分かった」
「はぁぁぁ……。んじゃ、そろそろ上がった息も整ってきたし、やるか?」
「……うん」
改めて深呼吸し、体に意識を集中させて魔力の残量を認識する。
……うん。想定よりは減っちゃってるな。
出来るなら魔力が回復するまで待機してたいけど、配下のアンデッドがやられたのは男爵のアンデッドにも多分伝わってる。
今はなんでか襲って来ないけど、もしかしたら気が変わって残してるかもしれない戦力で袋叩きに合うかもしれない。
そうなればもう、男爵どころじゃなくなっちゃう。
ああもうっ。ボスもケチケチしないで魔力回復ポーションくらい持たせてくれたらいいのにっ!
……はぁ。無いものねだりしても仕方ないな。
現実逃避してないで、いい加減、覚悟決めないと。
「……ふぅ」
ハントが執務室のドアノブに手を掛け、息を吐く。
ちょっと鍵がかかってる事に内心期待したけどそんな事はなく、アッサリ回った。
扉を押し開き、広がった室内には──
「……キタカ、シンニュウシャ……」
「「──ッ!?」」
実務机に両肘を突き、顔面の前で手を組む、人──のようなモノ。
貴族が着るような豪奢なスーツに身を包んではいるものの、それから垣間見える人肌は、およそ人のそれじゃない。
茶褐色に変色し、骨に張り付くように細り、水分を一切感じさせないほどに枯れに枯れ果てた肌。
人相は生前を知らないからアレだけど、普段は皮膚の奥に隠れてる筈の頭蓋骨の禍々しさが全面に露わになり、面影なんて殆ど無くなってる。
落ち窪んだ眼窩の奥には……茶色く濁り腐った目。
その目が、ボク達を理性的に睥睨してる。
「……コノ部屋ハ臭ワンダロウ? 香ヲ焚イテイルンダ」
「は、はぁ?」
突然始まった雑談の口火に、まだアンデッドが会話を仕掛けてきている事実に戸惑う最中のボク達は戸惑う。
……ただ、確かに異臭は……しない。
正直屋敷中ずっっと腐敗臭がしてて鼻が曲がりそうだったのに、この部屋だけは言ったように香でも焚いてるのか寧ろ良い匂いすらする。
「以前トアル商人カラ渡サレタ賄賂に帝国産の香木ガアッテナ。倉庫ノ肥ニナッテイタノヲ引ッ張リ出シテ焚カセタノダ」
「「……」」
宛ら普通の人間のような仕草と口調で語り続ける男爵アンデッド。
ただボク達はそんなヤツに驚愕しつつ、決して目を離せない──一切油断が出来ない存在に意識を持っていかれていた。
男爵アンデッドの横でただ静かに、けれども尋常じゃない威圧感を放って控える、燕尾服を纏ったアンデッドの姿に。
「……彼ガ気ニナルカ?」
「……」
「……彼ハ見テ分カル通リ、家ノ執事ダ。君達がココニ来ルマデニ相対シタ使用人達ト同様、ワタシノ能力デ強化サレタ、ナ」
「だろうな」
「ソレモコノ屋敷ノ中デ誰ヨリ強クナ。君達ガ苦戦シタニキータ──メイド長ヨリモ数段強ク。ワタシノ魔力ノ殆ドヲ使ッタ」
……なんか、聞きたくない情報と聞けて良かった情報がいっぺんに届いた。
どうやらさっきから妙に大人しく、目の前の男爵アンデッドとは別の意味でアンデッドらしからぬ静謐さをたもってる横の執事アンデッドは、ボク達が予期してた通りこれまで戦ったどのアンデッドより強いらしい。
残酷な真実だ。
そしてそれに反した朗報は、この執事アンデッドの強化のために男爵アンデッドが魔力の殆どを使い果たしたってこと。
もちろんそれが全て事実かは判断出来ないけど、経験上、嘘はない。と思う。
つまりはこの執事アンデッドさえ倒せれば、本命の男爵アンデッドはどうにか出来るかもしれない。
……ただ、その執事アンデッドが倒せるかが問題なんだけどね。
「……」
「……ワタシニ、大義ハ無イ」
「……ッ!?」
「イヤ、正確ニハアッタ、カ……。何ニセヨ、最早コノ為体デハ何一ツトシテ叶ワン」
「何を、言ってんだ?」
「我ガ身ニ、コノ奇跡ガ舞イ降リタ時ハ幸神様ノ思召シカト浮カレモシタガ──」
そう言いながら、男爵アンデッドは机の引き出しから金属質の丸い何かを取り出し、手の中で弄ぶ。
「シカシ、コノ穢レタ身ニ何ガ出来ヨウ? 絶望ノ中、家族使用人共々ト心中シ、コノ……。コノ動ク屍ト化シ罪ニ塗レテマデ何ガ成セルトイウノカ?……民スラ、巻キ込ンデ……」
あの丸い金属は……例の魔物化ポーションに散布装置、かな?
実物を初めて見たから確証なんか無いけど明らかに異質だし、それに手に持ちながら思召しとか言ってるから、多分魔物化ポーションの影響で特殊個体化した事をそう捉えてるんだ。
「ナラバワタシノ役目トハナンダ? コノ偽リノ生ヲ享受シ、剰エ過ギタ能力ヲ授カッタ理由ハナンダ? コノ醜イ身体ニ何ノ意味ガアルッ!?」
「「──ッ!!」」
男爵アンデッドが突然声を荒げ、机を感情的に叩こうと腕を振り上げた。
……ただ腕は振り上げたところで震えながらも制止。
本来機能していない筈の呼吸器を使ってさも生きているかのように深呼吸で怒りを鎮めると、ゆっくりと腕を降ろす。
「……コノ体ニナッテカラ、アラユル事ガ言ウ事ヲ効カズ、ママナラナイ」
「……アンデッドなんだ。そうやって喋って、会話出来ること自体が普通じゃないけどな」
「ソウ……ダナ。知識ニアルノト実際ニ体験スルノトハ違ウ……。マサカ、ココマデ不愉快ダトハナ。イッソ、ココデ君達ニ殺サ──イヤ、滅セラレタ方ガイイノカモシレンナ」
「……そうなら、助かるけどな」
「…………イヤ、イヤ駄目ダ。駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ駄目ダ──」
……一瞬期待しちゃったけど、やっぱりダメか。
理性的に見えても、所詮は……。
「成サネバ……成サネバナラナイ。ワタシノ行イハ間違ッテナドイナイシ正シクアッテシカルベキダッ! ワタシガ救イワタシガ助ケワタシガ守ルッ!! ソレコソガ爵位ヲ与ッタ者ノ運命デアリ義務ダロウッ!! ソノ為ニコソ金銭ハ使ワレナケレバナラナイッ!! 血流ガ止マレバ肉体ガ腐ルヨウニ金ハ流レ続ケルベキナンダッ!! 蓄エ肥エル為ナドデハ断ジテナイッ!!」
「……ああもう」
「貴様ラモカッ!? 貴様ラモワタシノ邪魔ヲスルノカッ!? 醜ク朽チ果テ無様ニ縋リ付イテマデ留マリ続ケテイルワタシノ邪魔ヲッ!! 許サン……許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サン許サンッッッ!! ワタシハッッ!! 民ヲ救ウノダッッッ!!」
「──ッッ!?」
叫声と同時に、ついさっきまでずっと大人しかった執事アンデッドが急襲。
それをハントは本能的に構えた槌矛ですんでで防ぎ、手刀と槌矛から甲高い嫌な金属音が部屋に鳴り響いた。
「アア神ヨッ!! ワレハ信徒デアリ死徒也ッ!! ワレハ腐敗シタ盃ニテ善行ヲ満タシ、錆ビタナイフデ仇敵ノ喉ヲ引キ裂ク者也ッ!! コノ正義デアリ蛮行デアリ惨憺ノ宿願ヲ叶エ腐リ果テル事ヲオ赦シ下サイッ!!」
「アンデッドがなんかアンデッドっぽい言葉で赦しを乞いてんじゃねぇっ!! 神様に同情するわっ!!」
「ハント集中ッ!!」
「お、おうっ!!」
ボク達の、死闘が始まった。
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──洞窟に居を構える盗賊の人数は、全部で五十人。
全員が領兵並みの戦闘力を持っていて、武装もそれなりに揃っている。
何故一介の盗賊風情がそんなものを揃えられているのか?
──奴等は元々、領兵だった。
だが主人であった貴族がエルフの工作員と結託し国賊となった事で取り潰し。
再就職しようとしたが同じ理由で別領の領兵達が先んじて就職しており、どこも手一杯。
だがだからといって別の仕事に就けるかというと、それも難しい。
中にはそれに成功した者も居たが、領兵全員は流石に無理難題が過ぎたようで、路頭に迷った。
結果、已むに已まれず盗賊行為。
しかし元領兵という事もあり良心の呵責に苛まれ、妥協案として元々の領主と最も険悪だった領地──つまりここハッタード領での掠奪に及んだという背景がある。
……まあ、元々が国賊の配下だった事もあって悪事に手を染める事自体にはすぐ慣れたようだがな。
──で、そんな奴等の現状はというと──
「うぅ、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
「は、反省してるっ! だから見逃し──がぁぁぁぁぁっ!!」
「返すっ!! 返すからここは穏便にぃぃぃぃぃぃっ!!」
……ティールによって、蹂躙されている。
いや、蹂躙というには流石に過剰表現かもしれんが、盗賊共が面白いくらい吹っ飛んでいるので、絵面的には派手に見えるか。
ティールの戦い方も相まってより華やかに映るな。
「はいお前は絵画っ! はいそこのお前は彫像っ!! そこのはまとめて前衛芸術だっ!!」
……言ってる内容だけ聞いてると猟奇的な犯罪の臭いがしなくもないが、やっている事は字面のまま。
聖芸の指先とそれにアシストされている《色彩魔法》によって〝芸術作品〟にされている。
勿論、生きた状態でだ。
……いや、まだ人によってはゾッとするか。
「はぁ、はぁ……。あ、後何人いやがるっ!?」
「さっきので最後だ。と言っても、半数以上はこの惨状を見て降伏して来たがな」
今はジダンリーの広間に居るのだが、誘き出された盗賊共をティールが展開した《色彩魔法》の結界で閉じ込め、制裁を加えていた。
結果、逃げ出せない盗賊共はティールが盗賊で作り上げる芸術品を余す事なく目の当たりにする形となり、恐怖に慄いて投降して来たというわけだ。
殺傷性能はティールの采配で可能な限り抑えられているとはいえ、絵面としてはやはり衝撃的ではあるかな。
「はぁ、はぁ……。んじゃ、終わり?」
「ああ終わりだ。ご苦労だったなティール」
「……だはぁぁぁぁぁっっ」
詰まっていたものを吐き出すようなに息を吐くと、聖芸の指先を握ったままその場に背中から倒れ込む。
大の字になり、それからピクリとも動かなくなる。
別段盗賊にやられたわけでも魔力切れでもないだろうに。
「まったく……。非力な俺に無茶させやがってよう……」
「何が非力だ。それで言ったらこんな盗賊共を退治も出来んハッタード領の兵士の立つ瀬が無くなるじゃないか」
「……そいつもそうだな」
そう呟いて上体だけを起こすと、バツが悪そうに頭を掻いてコチラを見遣る。
「えぇと……。こういう場合はどっちにどう合わせりゃ良いんだ?」
「自身の尺度を広げる……。まあ、つまり──」
そんな奴に、私は右手を差し出した。
「自分を誇りなさい。お前は誰が疑いようもなく、強くなった。少なくとも、元領兵五十人級以上だ」
「ははっ。実感ねぇよっ!」
差し出した右手にティールの右手が握られる。
確かに熱の籠った、私の親友の右手に。
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