管理01
結界の中、ホッと一息をつく。
魔物討伐をしていた事もあり、知らず知らずのうちに身体が緊張していたのだろう。
「雛乃。何か口にする物はあるか?」
「えぇ、あるわよ。」
当たり前のように、雛が飲食物の担当になっている。
悠希に声を掛けられ、雛は自分のマジックバックから一揃えのテーブルセットとお茶、お茶請けとしての軽食を出した。
凄いよねぇ、こんなに簡単に用意出来るなんて。っていうか、いつ作ってるんだろ。
っていうか、雛は悠希に対して、人見知りを発動する事がなくなったよね。
「どうしたんだ、唯。ぼ~っとしてると、お前の分がなくなっちまうぞ?」
「え…えっ、ダメダメ~っ。」
そんな感じで二人を観察していたら、悠希から不穏な言葉を投げ掛けられた。
私だってお腹空いてるんだから、全部食べられちゃ困るっ。
慌てて用意された席につき、ありがたく準備が整った軽食に手を伸ばす。
「そう言えばね、唯。さっきの話なのだけれど。」
ある程度、テーブルの上の物がお腹に収まった頃、雛がゆっくり話し出した。
さっきの?…あぁ、私が聞いた件だよね?
「うん、何かあったの?」
「何だよ、さっきのって。」
私が話に食い付いたところで、悠希が間に入ってくる。
「もう、悠希ってば、うるさい。今からなんだから、静かに話を聞くのっ。」
即座にダメ出しをして、彼の口を閉じさせる。
「あの…、それほど重要な事ではないかもしれないのだけれど。」
二人に食い入るように見つめられ、少しだけ雛が引いてしまった。
うん、大丈夫。それがどんな事でも、私…私達は怒ったり笑ったりしないって、誓えるもん。
「風の便りに、像がおかしな集団に囲まれていると聞いたのよね。」
雛はそう、顎に指を当てて告げた。
おかしな集団とは、いったいどんな人達なのだろう。
「あ、それなら、俺も聞いたぞ?武装してるってのもな。」
「武装?…それ、冒険者かな。」
悠希が続けた言葉に、私は小首を傾げた。
冒険者も、武器や防具を装備する。集団で大きな魔物と戦う事だってあるから、一概におかしな、とは言えないのだ。
「まさかの科学者、だったりしてな。」
冗談のように笑顔を見せる悠希。
相手が科学者だったら、世界の欠片を探すのが大変だなぁと、私は現実問題を心配する。
そして雛が取り出した地図に三人で視線を落とし、現在地から程近い目的地を思った。




