表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第3章
PR
92/186

港町05


「どうし「お待たせ致しました~。」?」

 問い掛けた私の言葉は、料理を持ってきた店員さんの声に()き消された。

 ま、良いけどね。

 視線を下に向ければ、今度持ってきてくれたのは私の頼んだカツオザメ定食だった。

 これは焼き物と刺身とがお盆の上に揃っていて、凄く魅力的だったんだよ。


「やった~。いただきますっ。…っと、さっき貰ったから、悠希(ゆうき)にこっちをあげるよっ。」

 早速箸を手に取り、食べようとした私。でも、人のを貰うだけでは失礼かと思い至った。

 相手の返答を聞く事なく、刺身を一切れ取ると、有無を言わさず悠希(ゆうき)の口に突っ込む。

「っ?!」

 目を見開く悠希(ゆうき)を見て、そんなに美味しいのかと、私もすぐに次の一切れを自分の口に入れた。

 ん~っ、こっちも美味し~っ。

 脂がのってながら後味サッパリって、どうなのよこれっ。

 イルグスクの刺身も美味しかったけど、私はカツオザメの方が好きかも~っ。あ~っ、焼いたのも美味し~っ。


「ん?…どうしたの?」

 両頬を押さえて身悶(みもだ)えていたのだが、不意に二人の様子が気になった。

 何故かあんぐりと口を開けて固まっている悠希(ゆうき)と、複雑な表情の(ひな)

 悠希(ゆうき)の方は顔が赤い気がするし、(ひな)(あき)れと…困惑?何だろう…。

「食べないの?」

 再度、二人に問い掛けた。

「あ、あぁ…食べる…。」

「そうね。」

 (ようや)く再起動する二人。

 何だろう?この、微妙な空気。

 小首を(かし)げた私だったけど、一瞬にして周囲の景色が霧に包まれる。

「っ?!」

 慌てて立ち上がろうとしたのに、意識に反して身体はピクリとも動いてくれなかった。

 そして気付く。

 あ~、これ…いつものだ、と。


 現在地である港町リオルガから程近い、大河ハディスンを(さかのぼ)る。

 何故か私の視界は空中にあり、高速で移動していた。空飛ぶ鳥のものだと気付いた時、不意に急降下を始める。

 いやいや、ちょっと待ってぇっ。

 視角のみとはいえ、高速で落下する感覚は(いただ)けない。

 急速に近付いてくる地面に、私は思わずギュッと(まぶた)を閉ざした。

 バサリと大きく羽音が聞こえる。

 そして同時に幾つも。

 ぅわ~っ。

 思わず見開いた視界いっぱいに広がった、白い鳥の群れと青い空。(あお)い海。

 これが旧世界の風景だと、私は誰に聞く事なく知っていた。


 旧アメリカ──自由の女神像が、そこにたっている。

 当時のフランス彫刻家フレデリック・バルトルディが設計し、独立100年を記念してフランスから寄贈されたという、自由の象徴だったはず。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ