表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第3章
PR
91/186

港町04


「俺はいろんな場所を旅して廻ってるけど、ここまで海産物に種類が豊富な料理屋はなかなかないんだ。どれも絶対(うま)いから、安心して食べなって。」

 注文を終え、含みのない笑顔で告げた悠希(ゆうき)

 けど、選んだメニューがアレだ。

「安心、ねぇ…。イルグスクなんて肉食で凶暴な魚、文献でしか見た事ないもん。身は柔らかく絶品って書いてあったけど、形的に、誰が初めに食べるなんて言い出したのかって思ってたよ。」

 私は文献から得た知識から、イルグスクの姿を思い出す。


 長く太い胴体と、バランスの悪い小型の頭部。けどその細身の口には中まで牙があって、一度食らい付いたら食い千切るまで放さないとか。

 身体を回転させてっていう文面から、ワニかドリルかって思ったんだよね。

「さすが、(ゆい)は読書家だな。俺も実際にイルグスクを見た事ねぇけど、冒険者の宿で依頼書は目にしたくらいか。でもさぁ、(うま)ければ問題ないんじゃね?」

 ニッと歯を見せて笑う悠希(ゆうき)

 ここまでされては、完全に毒気を抜かれてしまう。もはや、一人で(いら)ついている私がバカみたいだ。

 そもそも、何に対して怒っていたんだろう?


「お待たせ致しました~。」

 そんな疑問が自分の中に浮かんだ時、タイミングが良いのか、悠希(ゆうき)の分の料理が運ばれてきた。

「んじゃ、私に一口ちょうだいよ。」

「え?…あ、良い…けど…。」

「早くぅ。」

 何故か戸惑いをみせる悠希(ゆうき)に、私は催促までする。その言葉に、(ようや)悠希(ゆうき)が箸を手にした。

 刺身定食ってだけあって、かなりの量の生の切り身がお皿に盛られている。

 うん、見た目は綺麗なピンク色。

「あ~ん。」

 悠希(ゆうき)が一切れ箸に持ったのを見て、私は口を開けた。


 …ちょっと、早くしてよ。

 いつまで()っても口に入ってこない事が不思議で、私は閉じていた瞳を開く。

 いやいや、何故目の前で切り身が止まっている。

 私に向けて差し出された箸に乗った切り身。そりゃ、迷わず食らいつくでしょ。

 パクッと箸ごと口にして──勿論箸を食べる訳じゃないから、すぐに出すよ?──もにゅもにゅと咀嚼(そしゃく)する。

 うん。しっかりした肉質に見えたけど、脂がのっているのか、とても(やわ)らかでジューシー。そして甘味があって…。

「美味し~っ。」

 思わず両頬を押さえて、身悶(みもだ)えてしまった。

 ん?誰の反応もない。

 不思議に思って──頬を押さえたままだったけど──二人を見た。

 何?何で二人して固まってるの?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ