表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第3章
PR
88/186

港町01


 私達は今、大きな港町に来ている。

 冒険者の宿に寄る目的で、世界の欠片を探す旅のカモフラージュの為だ。


「お~、懐かしいなぁ。」

 周りを見回しながら、悠希(ゆうき)が笑顔を浮かべている。

悠希(ゆうき)ってば、ここに来た事あるの?」

 三人で連れ添って歩いているのだが、普段のお喋りは基本的に悠希(ゆうき)と私の二人だ。

 そして私は、深い意味もなく問い掛けてみる。


 そもそも私や(ひな)は、拠点としている集落からあまり離れなかった。

 まだ年齢が低い事もあり、たまに行う冒険者の仕事も、近辺で遂行(すいこう)出来るものばかりだったのである。


「何言ってんだ?(ゆい)も来ただろ。」

 普通に返してくる悠希(ゆうき)の瞳からは、嘘偽りが見えない。

 つまりはあれだ。それは私の忘れてる記憶なのだよね?

「…もしかして、8歳の頃?」

 (いぶか)しみつつも、私は悠希(ゆうき)に首を(かし)げながら問う。

 覚えてない事を当たり前のように言われても、困るんだけどな。

「あ~…。悪い、そうだ。俺達はこの港町リオルガに、5年前に来た事がある。」

「ふぅん。」

 気まずそうな悠希(ゆうき)の表情を見て、私の中のモヤモヤは消えた。

 細かい事を気にしたって、仕方がないもんね。


「とりあえず、冒険者の宿に行きましょう。(ゆい)の記憶の事は、今更追求したところで意味がないもの。」

 私達の空気を察したのか、(ひな)が声を掛けてくる。

 そうなのだ。第一の目的は、冒険者の宿に行く事。

 けど何故かな。涙が出てきちゃうよ。

雛乃(ひなの)は、(ゆい)相手だと手加減ないな。少し上げてから蹴り落とすの、やめた方が良いんじゃね?」

 苦笑いしながら、悠希(ゆうき)が私の頭を撫でてくれた。

 うん、ありがとう。違う意味でささくれだった心が、少しだけ癒されたよ。


「あら。私は(ゆい)を、少しも(いじ)めてないわ。」

 不思議そうに答える(ひな)の言葉には、全く含みも悪気もない。

 そうだよね。(ひな)は物静かで優しくて、頭が良くていつも冷静なお母さんタイプの、でも極度の人見知りさんだもん。

 嘘偽りのない態度で私に接してくれてる事、勿論知ってるよ。

「淡々と吐き出される毒に、(ゆい)が何気に傷付いてるぞ?まぁ、悪意がない事が救いだけどな。」

 首を(すく)める悠希(ゆうき)

 当たり前だよ。

 悪意ある相手と、ずっと一緒にいる筈ないじゃん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ