訪問者04
「とにかく、アレからは離れよう。本当の目的も分からないからな。近付かないに越した事はない。」
警戒心を緩めず、悠希はカボチャさんから距離を取る事を勧める。
まぁ…私も今のあの状態じゃ、仲良くしたいなんて思わないんだけどね。
雛も反対意見がないようで、私の背中に隠れつつも頷いている。
そこで私達は、背後にカボチャ頭さんを放置したまま、悠希をボディーガードにして移動したのだ。
「…ここまで来れば、とりあえずは大丈夫か?」
未だに背後に警戒心を向ける悠希だったが、そこで私と雛は、緊張の解放からその場に座り込む。
「はぁ~…、何だかとっても疲れたよ。」
「そうね。」
私のぼやきに、雛が静かに応えてくれた。
けど顔色が悪く、人見知りの彼女からしてみれば、大きなストレスだったんだろうと推測される。
「大丈夫か?二人とも。」
気遣わしげに悠希が顔を寄せてきた。
…っていうか、近いって。
私は雛と違って人見知りじゃないけど、こうも照れもなく顔を覗き込まれると、さすがに困惑してしまう。
「で、あの事はどう思う?」
少しだけ身を引いた私を気にする様子はなく、悠希は先程のカボチャ頭のジェスチャーを思い出しているようだ。
でも確かに、あのジェスチャーは自由の女神だったと思う。
私の視線を受けて、雛がマジックバックから文献の控えを取り出す。
「…そういえば、あのおかしな人物、この文献を気にしていなかったかしら。」
けど、それを開く事なく、ジッと折り畳んだ羊皮紙を見つめるだけだ。
「どういう事だ?アイツ、兜を被ってたから視線までは分からなかったし。そもそも存在自体が怪しすぎて、俺は細かな部分に意識が向かなかったな。」
悠希も雛の言葉を受け、一人反省会をしている。
何よ、いったい。
ここは私も同じように、反省をしないといけない感じ?
「とにかく、付け狙う奴等がいる事は確かだな。過ぎる警戒をしたところで、被害が出ないに越した事はない。」
結論を出した悠希は、そのまま私達を見回す。
反省をするのはもう終わりで、これからは周りに気を付けろって事かな?
私は自分なりの解釈をしながらも、軽く首を傾げた。
「障壁ノ魔法…絶対防御。」
すると突然、悠希が私達三人を取り囲む半透明の壁を作り出す。
「これからは結界内部以外、世界の欠片情報の公開を禁止しよう。」
そして続けられた言葉は、本格的に危機感を煽るものだった。
今まで世間話のようにしてきた作戦会議は、何故か外部に漏れているらしいという事は、私にも理解出来たけど。
でも一応、誰もいない事を確認していたのになぁ。




