表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第2章
PR
83/186

光の連鎖03


「その欠片も、同じ仕様なのか?」

 私の持つ世界の欠片に、無遠慮に顔を近付ける悠希(ゆうき)

 近すぎるよね、この距離感って。

 思わず(ひな)に視線で訴えると、あまりの近さに引いている彼女がいる。

 うん。人見知りが完全になくなった訳でもないから、必要以上の近距離には耐性がないよね。

「近すぎ、悠希(ゆうき)。」

 私は遠慮なくその頭を押し退()けた。

「え?あ、悪い。」

 自分の行動に自覚がなかったのか、私に押されて気付いた様子。

 (わず)かな戸惑いが見えたので、無自覚の事だとして今回は許そう。


「えっと、今回のは…中に凱旋門(がいせんもん)が入ってるね。」

 私は確認の為、透明な球体の中を覗き込む。

 当たり前だけど、そこには小さな石造の門が入っていた。

「パリ?だっけ。」

「そう。」

 悠希(ゆうき)の問い掛けに、言葉少なに応える私。

 だって欠片の中の凱旋門が綺麗すぎて、意識の大半はそっちに持っていかれてたんだもん。


「あら?形状が少し違うわね。」

 そんな(ひな)の言葉に、私は我に返った。

「え?」

 戸惑いつつも、手にしているもう一方の欠片と見比べる。

 確かに双方とも球体ではあるものの、完全な丸ではなかった。

 微妙な凹凸があり、何かを示している。

「何だろ…。」

 二つを様々(さまざま)な角度から観察する、私と(ひな)

 ところが、そこへ伸びてくる手があった。

 悠希(ゆうき)である。

「くっつくんじゃね?」

 そう言いつつもあろう事か、二つの欠片をつけてしまったのだ。


 きゃーっ。

 私が内心叫んだのは、仕方のない事だと思う。

「何してんの、バカ悠希(ゆうき)!」

 慌てて奪い返したそれだったが、時は既に遅し。

 ピタリと()まった二つの欠片は、初めから一つであったかのように放れなくなってしまったのだ。

 終わった…。

 雪だるまのようになった世界の欠片を手に、私は茫然(ぼうぜん)(ちゅう)を見上げる。


 東京タワーの隣に凱旋門って、おかしいよね。

 世界の欠片が幾つか分からないけど、文献にはたくさんの存在が記されている。

 つまりは旧世界がそれだけ集まって、(ようや)く一つになるんだろう。けど…。

 今私達の目の前にある欠片は二つ。しかしながら、一つにくっついてしまっているのだ。

「あ~…、マズッた?」

 欠片に視線を落としたまま動かない私に(あせ)りを覚えたのか、悠希(ゆうき)が苦笑いを浮かべながら問い掛けてくる。

 覆水(ふくすい)盆に返らず。

 私の中に、文献で見た旧世界の言葉が浮かんだ。

 そうだよね…。取り返しのつかない事はあるよね…。

 もはやどうにもならない事に、私はこれ以上頭を悩ませる無駄を悟った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ