光の連鎖02
向こうの世界を知っている──極一部なんだろうけど──私が、この世界で旧世界の欠片を持って、今ここにいる。
その不思議な感覚に、私は手にした光る球体へ視線を落とした。
もっともっと…、あの世界を大きくしたいな。
自然と沸き上がってきた感情は、私に意識せずとも世界の欠片を抱き締めさせる。
ホンワカと温かくなる手の内。
ここが旧世界の意識を残している場所だって事もあるんだろうけど、私自身の感覚が…意識が、ここから出たいと訴えている旧世界の脈動を感じた。
目を閉じていても分かる、光が繋がるイメージ。
鎖のように先へと伸びて行き、そして点と結び付く。
「…おいで…。」
私は知らず、呼び掛けていた。
左手を伸ばし、それが何かに触れる。
掴む。
一連の動作は自分の無意識下であり、何故そうしたのかといった理由は分からなかった。
でも、結果としてその行動が、新たなる欠片を手にするに至る。
「…唯?」
心配気に問い掛けられ、私は我に返った。
目の前には、眉を下げた雛の姿。
「あ…、うん。大丈夫。」
私は込み上げてくる笑みを抑えきれない。
ブイの形に指を突き出し、雛に応えた。
その指の間には、光る球体。
「す…、凄い…。やったわね、唯。」
冷静な中にも、喜びを隠しきれない雛。
両手を胸の前に組みつつ、キラキラとした瞳を向けてくる。
「えへへ…。世界の欠片二つ目、ゲット~。」
もう一方の手を開いて見せ、二つある事を明らかにした。
「スッゲェじゃん、唯!」
「グエッ!?」
何故か、後ろから物凄い勢いで悠希に抱き付かれる。
カエルが潰れたかのような不細工な声が出たのは、確実にコイツのせ──ゲフンゲフン──…ではなく、事故だ。
それでも気付かず──気付いているのかもしれないけど、聞こえない方向でいるのかもだが──私の首に腕を回している悠希。
身長差を考えてほしいものである。
「御門さん。唯が苦しがっているわよ?」
ここで冷静に注意をしてくれるのは、さすが我が友、雛。
「あ、悪い。つい…。」
注意をされてから気付くのも、悠希なのだろう。
まぁ、期待はしていないさ。
とりあえず、睨んでおこう。
「そう、見つめるなって。照れるだろ?」
何故か、悠希の反応がおかしい。
いやいや、何故照れる。
とにかく、欠片は手に入れた。
これで二つ目だね。
誤字訂正2016,10,20




