潔(いさぎよ)い降参02
「了解。敗者は従いますよ。で…あの光の欠片、実際には何なんだい?」
仕方なしに手を引っ込めた自称バーニーだったが、然り気無く情報収集である。
ん?悠希が、科学者の情報を得るんじゃなかった?
「おい。こっちの情報を盗もうとするなよ。」
首を傾げた私だったけど、悠希が鋭く警告する。
あ、もしかして私、甘く見られてる?
「はいはい、そんなに怒るなって。僕はアレが、お宝だと聞いたんだ。」
悠希に注意され、苦笑を浮かべながらも続けた自称バーニー。
けど、その内容に私は目を見開いた。
お宝?
「アレは高エネルギーを発する、珍しい球体じゃないか。僕は昔の科学にあった、燃料物質にならないかと思ったんだよ。でも上の判断は少し違って、世界を統一するモノだと考えているようだけどね。だから、収集任務が出た。」
自分の考えと共に、自称バーニーは科学者の組織らしき存在を明らかにする。
そしてそれが階級を持ち、命令系統を上層部が担っている事まで分かった。
「何処でそれを知ったんだ?」
「さぁ?そこまで僕は知らないよ。僕はただ、あの光の欠片を女の子に組み込んで、今の太陽電池式よりも高出力にしようと思っただけだからね。たくさんあるなら、一つくらい貰えないかな。」
追求する悠希の言葉にも、自称バーニーはサラリと自らの趣味趣向に正直だった。
「ったく、己の欲求ばかりだな。」
呆れたように溜め息をつく悠希。
正義を謳う彼にとっては、これも悪なのだろうか。
「仕方ないさ。僕のような下位にいる科学者には、そんなに重要な案件は回って来ないからね。あ、それとこれは僕からの個人的な忠告。君達を付け回しているのは、僕等科学者だけじゃないよ?」
開き直ったかのように笑顔をみせる自称バーニーは、とんでもない事を言ってきた。
付け回す?
っていうか、科学者だけが敵じゃないって言うの?
「どういう意味だ。」
「勿論、言葉通りの意味だよ。僕等は、君達が光の欠片を集めている事を知っている。君達を追う中で、別の追跡者の存在を知った。ただそれだけ。」
怪訝な表情を返す悠希に、自称バーニーは両掌を上に軽く挙げてみせる。
それ以上は知らないと、そういったジェスチャーなのだろうか。
ところで私達の敵は、本当に科学者だけではないようだ。
でも世界の欠片は、簡単に集められそうにない。
実際に欠片の本当の意味を知っている人物が、これから先も何処からか狙ってくるかもしれないのだ。




