科学武器01
「冗談だろ…。」
呟く悠希の声。
目の前にガトリング砲を突き付けられ、平生を保つ事は難しい。
っていうか後ろにいる私達も、あれが火を噴けば無事では済まされないのだ。
「ふふふふふふふふ…、どうだい?惚れ惚れするだろ?マドリンは見て分かる通り、ガトリング砲搭載型人形ロボットさ。この外見は柱のように細いが、背中側に胴よりも太い弾倉が搭載されている。胴半分には太陽電池を使った充電式の電池が搭載されていて、残る半分は弾倉が格納されている優れもの。その為手足は短く、直立時2.5m。二足歩行可能さ。攻撃時は四足歩行型に変わり、頭頂部の砲身から1分間に700発の弾丸を発射する。」
蘊蓄を連ねる自称バーニーは、周りの誰も真摯に聞いていない事など、お構い無しである。
半ば唖然としていた私は、後ろから雛に裾を引っ張られて振り返った。
「あの人…何故あぁも詳しく、自分のロボットの仕様説明をしているのかしら。」
小声ではあるが、明確な疑問を向けてくる雛。
だよねぇ。
何となく、欠点的な物も知られちゃったりするかもしれないのに。
「さぁ?よほど、自信があるんじゃないかな。でもガトリング砲って、使用弾丸数が半端ないんじゃなかったかな。弾倉に大量の弾を詰めていても、数分で射ち終わってしまうとかだったような…。」
いつか文献で見た知識を、うろ覚えながらに呟く私。
必要弾丸数が一度に大量消費する為、持ち運びの観点からも重量が嵩んで実用的ではないとあった。
確か、発射機構から弾倉まで含め、100㎏は優に超すとか。
「オッサン…知識と筋肉だけじゃ、魔法相手に勝てないっての。」
小馬鹿にしたような悠希の声に、私は雛と顔を見合わせる。
どうやら、悠希はあのロボットの弱点が見えたようだ。
「何を言っているんだ、キミは。僕のマドリンが、魔法使いなんかに負け…えっ?魔法使い?キミが?」
自称バーニーが自信に溢れた表情から、次第に驚愕へと変化していく。
中々に見物だった。
「いや…、だがしかし…。」
何やら呟いている自称バーニー。
「パペット使いを潰した事は、既に聞いてるんだろ?」
上から目線の悠希は、独り考え込む自称バーニーに声を掛ける。
パペット使いとは、前回東京タワーで襲ってきた科学者の事だろう。
確かにあの人は、4体のロボットを操っていたのだ。そう言えなくもない。
「あ、あぁ…。だが、方法や相手までは聞いていない。興味がなかったからね。」
思考の最中に問い掛けられた事もあってか、一度悠希に視線を向けた後、再度少しだけ考える素振りを見せた自称バーニー。
けど無視する事なく、答えてくれた。
バカ変態ロリコンナルシストは、人が悪いという訳ではないらしい。




