ナルシスト登場04
「やめてください。怖がってるじゃないですかっ。」
思わずキツく告げてしまった。
けど、自称バーニーはそれくらいではへこたれない。
「おぉ~…、栗色の女の子。僕が、黒髪の女の子にばかり気にかけるから、嫉妬してしまったのだね?大丈夫。僕は全ての女の子と、僕の肉体美について語り合いたいのだから。」
大袈裟に身ぶり手振りで自分好きを語る自称バーニー、ヤバい。
ロリコンなだけじゃなく、ナルシストだ。
って、筋肉マッチョは大概そうだよね。
「行こうぜ?ここにいると、バカと変態が移る。」
悠希が、私達を囲うように手を伸ばしてくる。
本当は世界の欠片を探したかったけど、他の人がいたら無理だもんね。
渋々ながらも、その場を離れようとした私達。
だけど、そう簡単には解放してもらえなかった。
「待つんだ、女の子達。この辺りに、光る球を見なかったかい?これくらいの…、キラキラと光る球体なんだが。」
自称バーニーは、背を向けようとした私達に、とんでもない質問をしてきたのだ。
彼の右手で示された大きさ、それはまさしく、世界の欠片の事。
「知らねぇよ。俺等だって、さっきここに来たばかりなんだ。」
すぐに悠希が答える。
私は驚きのあまり、お目目パチクリしただけだった。
「そうか…、残念だ。僕はこの辺りにあるという情報を聞いただけだからね。」
自称バーニーは、独り言のように呟く。
っていうか、聞いたって…誰から?
「オッサンが俺等に声を掛けたのって、それが目的?」
もはや当たり前にオッサン呼びの悠希。
彼には世界の欠片その物を見せてるから、自称バーニーが言っている物が何なのか分かってる筈だ。
「そうなんだよ。野郎には興味はないが、女の子が二人もいては、声を掛けないではいられないだろう?」
けど、自称バーニーは気にした様子もなく、何故か胸に片方の手を当てて、もう片方を私達の方へ伸ばしてくる。
いやいや、何なの、そのジェスチャー。
「ふぅん。で、それを見つけてどうするつもりなんだよ。」
「さあね?僕には興味のない事さ。僕は僕の肉体美と女の子がいれば、何も必要としないのだからね。」
核心をついた悠希の問い掛けも、自称バーニーには通じなかった。
ロリコンナルシスト、半端ではない。
「…あっそ。んじゃ、俺等は旅の途中だからもう行くな。」
話が通じないのと、私達の危険性を考えた為か、悠希は早々に撤収する事を告げた。
「待ちたまえ。」
だが、自称バーニーには、それすらも通用しない。
そしていつの間にかその隣に、全身をマントで隠した、細身の何者かが立っていたのだ。




