ナルシスト登場03
「それであの人は、どのような用件なのかしら?」
啀み合う悠希と自称バーニー。
そこで、それまで静かに見ていた雛が、私にそっと問い掛けてくる。
勿論、自称バーニーの事だ。
「おぉ~、黒髪の女の子。貴女は僕の事を美しいと言ってくれるんだね?」
だがその言葉に何を勘違いしたのか、自称バーニーが腕を広げながら雛に数歩歩み寄る。
即座、サザッと砂を引き、悠希と私が自称バーニーと雛の前に立ちはだかった。
人見知り発動中の雛は、素早く私の背に隠れる。
それ以上、私の雛に近付かないでよねっ。
そんな気持ちをこめ、鋭い視線を向ける私。
でもこの自称バーニーには、全く通用しなかった。
「何だい?栗色の女の子。大丈夫。僕は君達二人とも、大事にするよ?」
ニッコリと微笑みを浮かべる勘違い男。
おかしいでしょ。何で私と雛が、コイツを取り合っている的な言われ方されてる訳?
しかも、大事にするよ?バカじゃないだろうか。
「オッサンっ。」
唖然とする私の前に立ちはだかる悠希が、突然鋭い声をあげた。
驚いた。
背を向けているから顔は見えないけど、この声からして、結構怒ってる?
「ふざけた事ばかり言ってんじゃねぇぞっ。」
「またキミか。まだいたのか。僕は女の子達と話をしているんだ。」
相変わらず、悠希に対しては対応が酷い。
ロリコンなの?そうなの?
ちなみに悠希は15歳って事だから、一応一人前と認められる年齢なんだよね。
私達はまだ13歳だから、その区分でいくと子供扱い。
「お前と話す事はないんだよっ。どっか行けよ!」
「僕だって、キミと話す事はない。女の子達と、この僕の肉体美について、大いに盛り上がるのだよ。」
悠希の話を全く聞いていない自称バーニーは、独りで興奮している。
っていうか、私達を何だと思ってるんだろ。
ほら…雛が怯えて、思い切り私の服の裾を引っ張ってるよ。
「あっちに行こうか。」
私は、これ以上雛をストレスに曝すのも可愛そうに思い、振り返って小さな声で告げた。
けど、これも聞こえるんだね。
「何っ?何処かに行くのかっ?」
雛より早く、大声で問い返してきた自称バーニー。
いやいや、アンタに言ってないってば。
雛が声に驚いて、首を竦めちゃったじゃん。




