ナルシスト登場02
悠希に頭を下げられ、戸惑いを隠せない私。
「知っていたわよ、御門さん。貴方は、正義を信条とする人だものね。5年前より相当酷くなってるけれど。」
けど雛は当たり前のように、その彼に言葉を返した。
さすがに、昔を覚えていない私には、その辺りは判定不可能なんだけど。
「あはは…、雛乃には参るな。人見知りが外れると、さりげなく毒を吐くのもグレードアップしてるようだ。」
苦笑いの悠希。
毒?雛はよく私の事、上げて落とすけど。
その事じゃないよね?
「はぁ~い、そこの女の子達~。」
そこへ、突然掛けられた男の人の声。
また出た、女の子って呼ぶ変態。あ、悠希は変態じゃないみたいだけど。
私達は一斉に振り返り、その声の主を確認する。
おぉ、顔の作りだけなら王子様。
私達は崩れた凱旋門の前に三人して立ってたんだけど、その後ろを塞ぐように現れた人物は金髪碧眼。
筋肉質とまではいかないにしても、しっかりと筋肉がついている身体を必要以上にさらした、残念系王子様だ。
「誰よ、アンタ。」
思わずジト目で問い返す私。
何で上半身がベストだけとか、何でポーズをとって、ムキムキと筋肉を動かしているのかとか。
もう、突っ込みどころ満載である。
「僕?僕は、バーナード・ハーバート。バーニーって、呼んでくれて構わないよ?」
そう話ながらも、何度もポーズを変えてムキムキと筋肉を動かす男。
っていうか、バーニーって何?
「呼ばねぇよ。バカじゃねぇか、お前。」
鋭い突っ込みの悠希。
うん、私もそれ、言いたかった。
「僕は女の子に言ったんだ。野郎なんかに話してはいない。蜂の巣にするぞ。」
すると急に冷たい態度と視線に変わり、悠希に向けた自称バーニー。
うおぉ~…、凄い変わりよう。
「何だよ、お前。」
「そっちこそ、何なんだ。僕は名乗ったぞ。可愛い女の子を二人も連れて羨ましい…って、違うっ。」
悠希の言葉に、自称バーニーは本音ただ漏れで言い返した。
うん…、バカなの?
「ただの変態か、ただのバカか。どちらにせよ、俺等の会話に入ってくんなよな。」
軽く腕を振り、悠希は鼻で笑ってみせる。
これは、わざと相手を煽っているのか。
「僕のこの素晴らしい肉体美を理解出来ないような野郎は、さっさと立ち去るが良いっ。」
その態度に怒りを覚えたのか、自称バーニーは更に声を荒げた。
っていうか、私もそんなアンタを見たくないんだけど。




