螺旋03
悠希を仲間として認めた雛の言葉に、私の意識は簡単に塗り替えられていく。
「唯は、心眼の力で過去を聞くのね。御門さんは男の子だから、いざとなったら前線で戦って貰おうかしら。」
私の頭を優しく撫で、雛は仲間としてやっていく方針を明らかにする。
「あぁ、俺は端からそのつもりだぜ。」
悠希はすぐに首肯し、意義なしの態度を見せた。
私はそれを目線だけで確認する。
「私は…そうね、お料理の係り。勿論、皆で協力するの。でも、役割分担。その時のリーダーを決めた方が、何事もスムーズに進むでしょ?」
ニッコリと微笑む雛は、お母さんのようだ。
なだめすかして、簡単に私の心のトゲを抜いてくれる。
「雛がご飯のリーダーなんだねっ。私、雛のご飯、大好き~。」
頭を撫でられて言いくるめられる私は、本当に子供のようだ。
けど、悪い気は全くしない。私にとって雛は、とっても大切な友達なんだもん。
「そうね、ありがとう。だから、今は唯がリーダーなのよ?過去を紐解く事は、唯にしか出来ない力だもの。」
「うんっ。私がボスっ。」
「違えよ、唯。ボスは雛乃だろ。」
雛の説明に良い気になった私。でも、それを簡単に悠希に訂正される。
あ、それもそうだよね。
そして私は、その言葉に思わず同意してしまった。
「うふふ。そんなふうに呼んだら怒るから、ね?。」
物凄い笑顔で雛が告げる。
こ、怖いよ…。目が笑ってないってばっ。
雛は綺麗な笑顔を見せているのに、その目がマジっす。
怒らせると怖いって、悠希も学んだのか…それとも、知っていたのか。
二人して、ウンウンと何度も首を縦に振ったよ。
「それで?」
再度、笑顔で雛に問い掛けられる。
あぅ~…、心眼の記憶を忘れてしまいそうだ。
「え、えっと…。あ、グルグルの階段があったよっ。」
必死に頭を捻って、目が回りそうになった私。
でも、それで思い出したんだけどね。
「グルグル?何だ、それ。」
「螺旋階段、かしら。」
悠希と雛が、私のヒントにもならない、言葉足らずな情報から推理する。
私としては心眼の中で、誰かがそれを口にしてくれないと分からない。
誰かの目で見た記憶を知るだけの私だから、その人が知っている情報を得られる訳じゃないんだよね。




