螺旋02
「うん、あのね?大きな門みたいな建造物があったの。」
私は心眼で得た内容を話す。
ここは宿場町から離れた平原。
雛と悠希と三人で、現在進行形でお昼休憩中だった。
私達は文献を元に、一応の方向を決めて旅をしている。
けど、実際に細かな情報がある訳じゃないから、近くに行ってみないと分からないのが実情なんだよね。
「それなら、今向かっているパル?ってのは、該当しないのか?」
「パルじゃなくて、パリだし。悠希、ダメダメじゃん。」
雛が手にしている文献模写を覗き込みながら、作戦会議中の私達。
けど文献の文字は旧世界の日本語で書かれているから、悠希に解読は難しいらしい。
「んだよ、唯。少し間違っただけだろ?」
「ふんっ。私達だって、弱くなんかないもんっ。」
器用に片眉を上げて問い掛けてくる悠希に、私はツンとそっぽを向いた。
何でこんなに喧嘩腰なのかって、私は怒っているからだよ。
女の子だから弱いとか、そういう決め付けは嫌いなんだからっ。
いやいや、別に一緒に旅するのは嫌って言ってる訳じゃないんだけど…むしろ、仲間が増えるのは良い事の筈で。
「唯?御門さんも、悪気があって言った言葉ではないと思うの。そろそろ許してあげたらどうかしら。」
静かに私達の攻防を見ていた雛が、優しく私の頭を撫でながら告げる。
うん、頭ナデナデは好き。雛も好き。
でも、悠希は?
…嫌いじゃない。うん、これはハッキリしてる。
「ま、良いさ。どんなに爪を立てられようと、俺は唯から…お前達と旅をするって決めたんだ。」
自問自答している私をよそに、断言する悠希。
っていうか、爪を立てるって…。私は野良猫かっ。
「そうね。これはこれで、可愛いかもしれないわね。」
何やら、悠希の言葉に同意している雛がいる。
って、雛こそ、人見知りは何処いっちゃったの?
雛は私のなんだからっ。
私は独占欲丸出しに、雛に抱き付く。そして敵対するように、悠希を睨んだ。
「何だよ、可愛いな…。って、パリの門の話は終わったのか?」
何かを呟いた後、話を戻すかのように悠希が問う。
初めに告げられた言葉は小さすぎて、私の耳には届かなかったのだ。
でも雛にはしっかりと聞こえていたようで、柔らかな微笑みを浮かべている。
「ふふふっ。さぁ、唯?私達三人は、一つの目的を共有する仲間なの。仲間として上手くやっていくには、役割分担が必要よね?」
雛が告げた。
そして言い聞かせるように、私の頭を優しく撫でながら言葉を紡ぐ。




