お宝の正体04 ─皐月(さつき)side─
「あ、地図みたいなのを持ってたよぉ?」
彼女達が見ていた羊皮紙を思い出す。その真新しい状態から、最近作られた物だという事も分かった。
もしかしたら、何かから描き写したのかも。
「地図。複製可能かな。」
唇に指の背を当てるようにして、凜が呟く。
どうやら独り言のようだけど、確かに彼女が記憶したものならば、記憶ノ魔法で具現化可能だった。
でもさすがに、あたしの過去視を視せる事は出来ない。
「見せてもらわないとねぇ。」
ゴロリとベッドに転がり、同じく独り言のようにあたしが答える。
凜がこちらへ視線を向けたのを感じる。
それでも、自分が独り言を呟いた事を自覚していない為、凜の問いにあたしが答えたとは思っていないだろう。
「分かった。目標確定。明日から足取りを追う。」
「了解~っ。」
凜の宣言に、あたしは横になったまま手をあげた。
次なる目的が決まったので、今後はトレジャーハンターとして、唯ちゃんと雛乃ちゃんを追う事になる。
あたしとしては、是非ともお友達になりたいのだけれど。…でもでも、あのキラキラは欲しいの。
それにしても、あの男の子は気になる。
彼女達に悪さをしようとしている様子は、過去視で視た限りではなかったけど。
もしあの子達に何かするようなら、あたしが許さないんだからっ。
う~ん…、お宝が一番だけど、可愛い子も捨てがたい…。やっぱり一番良いのはお友達になって、キラキラをもらう事なんだけどねっ。
まぁ…トレジャーハンターとしては、もらっちゃダメでしょって感じなんだよぉ。
だって、ハントするのが仕事だしぃ?
あ、凜に複製してもらうってのは?
…ダメだぁ。あたしは本物がほしいんだもん。彼女達に偽物を渡すのも気が引けるし…。
あ~んっ…お姉さまって呼ばれたいっ。ってか、呼ばせたいっ!
あ、あれ?あたしの主旨が変わってるよね?
とにかく彼女達の向かった先は、既に過去視から分かってるの。
凜の記憶ノ魔法を当てにしつつ、あたしはキラキラを探してトレジャーハンターするだけだよねっ。
そして偶然を装いつつ、唯ちゃんと雛乃ちゃんにお近付きになるのぉ~っ。
むふふっ…、待ってなさ~い。
絶対にあの子達に、お姉さまって呼ばせるんだからっ。




