お宝の正体02 ─皐月(さつき)side─
あたしはその男の子を少し観察する。
焦げ茶の短髪。外側を刈り上げにして耳周り、襟足をすっきりとさせて前髪は短め。前髪を立ち上げ、スタイル全体に流れる様な動きを施したニュアンスウェーブ。
爽やかで、格好いい系に好印象だ。
勿論、顔立ちは文句なしに揃ってる。背も高いし、見た目は合格。
あとは性格だけど、これは実際に接してみないと分からないんだよねぇ。
さてと、観察終了。お宝の情報収集、再開だよっ。
「どうだったの。」
過去視から戻ったあたしに、凜が相変わらずの淡々とした口調で問い掛けてきた。
だからあたしも、いつものように答える。
「うん、いたよぉ?」
「分かってる。だから、情報。」
けれど、この返答では気に入らないみたい。
続きを寄越せとばかりに、真っ直ぐ見つめられてしまった。
「アハハ…、だよねぇ。えっと、ここには日を挟んで2回宿泊していたの。1回目はお宝を手に入れる前。次に、お宝を手に入れた後。」
ベッド上であぐらをかいたあたしは、対面しているベッドに腰掛けている凜を見る。
やはり、不思議そうな表情を浮かべていた。
あ、勿論、僅かな変化だけどねぇ。
「どうやら襲撃者とやり合って、魔力を過度に消耗したようねぇ。さすがに、相手まではあたしにも視えなかったけどぉ。」
過去視で得た情報を凜に告げる。
それでも片っ端から過去視をすれば、本当に後を追う事も可能かもしれない。
けれどそれは、あたしの魔力が持ちこたえれば、だ。
「そう。それで、お宝は何。」
凜が再度、請求するように問う。
「うん、聞いて驚いて。…あれ、世界の欠片だって。」
少しだけ溜めて、あたしは情報を公開する。
「…何。」
珍しく、凜が問い返した。
これ、彼女も戸惑ってるって事だよねぇ?
「だから、世界の欠片。何でも、旧世界って彼女達が呼ぶ、100年前の世界の破片だって。」
「世界の破片。欠片。…それをどうするの。」
あたしの言葉をおうむ返しする凜。
だけどたぶん、頭は凄く動いてるんだと思う。
「今は、決定的な結論には至ってないみたい。彼女達も、探り探りな感じだったもん。けど、集めるって。あのキラキラ、あたし的に超ほしいんだけどぉ。」
言いながらも、あたしはあの時一度だけ視たお宝を思い出す。
あたしはキラキラしている物が大好き。これはもう、好物と言っても過言ではないのだっ。




