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さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第2章
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情報収集04 ─皐月(さつき)side─

 直後、隣にいた店主の奥さんのこめかみに青筋が浮いた。

「あんたっ!まだあの女と関係があるのかいっ!」

「い、いや…その…、ち、違うんだってっ。」

 奥さんの問い掛けに返答が出来なかった店主は、しどろもどろになる。

 そしてそのまま夫婦喧嘩が始まり、周囲に野次馬の人垣が出来たのである。

皐月(さつき)、行こう。」

「うんっ。」

 ニマニマしながら見学していたら、(りん)に腕を引かれた。

 野次馬の人混みに(まぎ)れて、あたし達はこのまま姿を(くら)ますって訳だねっ?


皐月(さつき)、やり過ぎ。」

 商店街を離れたところまで来た頃、あたしは(りん)に注意された。

「え~っ。だって、しつこかったんだもん。どうせなら、あんなおっさんじゃなくってぇ、格好いい男にセールストークされたかったわ~っ。」

 けど、それくらいで反省するあたしではない。

 嫌いな物は嫌い、これはハッキリとしておかなければならないのだよっ。うんっ。

「そう。…ところで、冒険者の宿では何を()ていたの。」

 (りん)はあたしの反論をよそに、いつものように淡々と問い掛けてくる。

 そうだよね、うん。別にあのおっさんに同情して、あたしを注意した訳じゃない事は分かってるよ。っていうか、今それを聞くんだ?


「うん、目標(ターゲット)がいたよっ。」

 あたしの方も、これがデフォルト。

 周囲の事に真剣に構ってなんていられない。

 トレジャーハンターは、時には命を好奇心で削る事もあるんだから。

目標(ターゲット)…。」

 おうむ返しする(りん)が立ち止まる。

 こういった場合、既に思考の中に入り込んでいるのだ。

(りん)。こっちに来ないと、通行人にぶつかっちゃう。」

 あたしは彼女の腕を引き、道の端に移動する。

皐月(さつき)。他に情報。」

 端に移動した途端、(りん)から真っ直ぐに視線を向けられた。

 あたしは、そんなにポンポンとネタが出る子じゃないよぉ。

「まだだよぉ?あそこでは、宿に行く事までしか分からなかったもん。」

「何処の宿。」

 不満を(あらわ)にしてみるが、更なる質問を投げ付けられた。

 うん、まだ思考の中にいるのね。対応がいつもより、少しばかりキツイもの。

「町の入り口近くの、大きな宿だよぉ。さすがにあの場所では、それ以上の事を話してなかったんだよねぇ~って、えっ?(りん)っ?」

 あたしが話しているそばから、(りん)が消える。

 あ、違う。周囲を見回したあたしの視界に、彼女の背中が見えた。

 消えたんじゃなくて、置いてかれたんだ、あたし。…くそぉ。


 慌ててその背中を追い、隣に並ぶ。

 あたしより小さいのに、あたしの事を忘れないでよねっ。

 でもどうやら(りん)は、目標(ターゲット)が立ち寄ったであろう宿に向かっているようだった。


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