情報収集01 ─皐月(さつき)side─
「宿場町に寄るのは、久し振りだねぇ。」
あたし達は食事を終え、情報収集等の為に、宿場町の中を歩いていた。
あ、勿論、食事はキチンと食べたよ?
全部は無理だったけど、残ったものは凜の意思一つで消しちゃうだけだもん。
ゴミもなく、洗い物もなく。本当に、超便利なんだよねぇ。
「私は冒険者の宿に行く。」
「うん、分かった。あ、勿論あたしも一緒に行くよ~っ。その後、商店に寄ろうねっ。新しい商品、何かないかな~っ。」
「分かった。」
凜と話し合い、先に冒険者の宿に行く事にする。
冒険者の宿は、当たり前に冒険者の為の宿なんだけど。それに加え、あたし達のようなトレジャーハンターにも、立派な情報源となるんだよねっ。
誰かがどんなお宝を求めてるとか、集めてるとか。
売り先にもなるし、逆にライバル情報を得る事も出来るの。
あ、盗んだりはしないよ?あたし達はトレジャーハンターであって、盗賊じゃないから。
「あ、これ、凄くなぁい?」
あたしは目にした依頼書を指差しながら、凜に声を掛けた。
これは演技じゃなくて、あたし的には普通なんだけどね。
色々な依頼があって、見ているだけでも楽しいじゃん?
「…そう。」
でも凜は、生返事。
実はこれ、良くある事なんだよね。
彼女は何かに集中している時、周囲の音は聞こえているみたいで反応はするんだけど、全くといって良い程に関心を持ってないの。
それこそ、自分に危害を加えられない限り、まともな反応をしてくれないんじゃないかって思う。
まぁ、良いけど。
たぶん、この依頼書のボードを記憶してるんだろうし、邪魔をしてしまうと後が怖いもん。
暇になったあたしは、何気に過去視をしようと思い立った。
「時間ノ魔法、過去視。」
誰にも聞こえないよう、口の中で呟くように魔法を唱える。
勿論、対象はこの依頼ボード。
冒険者の宿に設置されて、どれくらい経ってるのか分からないけど、色んな人達を見ているのは確かだもんね。
…って、ヒットぉぉぉおおおお!
あたしは視てしまった!この二人、あの時のキラキラボールの女の子じゃんっ。
いつもようにボードから視る風景を流していたら、あたしの視界にバッチリ入っちゃったよ。
あの時は遠目だったからハッキリと顔を視れなかったけど、肩につく長さの栗色のフワフワ髪。それともう一人は、背中の中程長さの黒髪ストート。
絶対、この子達だよ!間違いないっ。
一人はむっちゃ、ちっちゃかったもん。




