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さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第2章
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過去視より04─皐月(さつき)side─


「空腹なのね。」

 あたしのお腹の訴えに、(りん)が淡々と告げる。

 はい、ごめんなさい。お腹は正直なんですぅ。

「えへへっ。」

 あたしはペロッと舌を出し、照れ笑いを浮かべた。

「ここは少し目立つから移動する。」

 (りん)に小さく溜め息をつかれ、背を向けられる。

 でも知ってる。この場合、彼女は怒っている訳じゃないんだよね。

「ありがとっ、(りん)。」

 あたしは尻尾を振る犬のごとく、慌てて(りん)の横に並んで歩く。

 向かうは、ここから一番近い宿場町。


 宿場町に向かいつつ、周囲を見通せる開けた荒野に腰を()ろす(りん)

「この辺りなら魔物もいない。来ても見晴らしが良いから分かる。…記憶ノ魔法、シチュー、鍋ごと。」

 そして地面に手を(かざ)し、魔法を発動する。

 すると目の前に、大きな一抱(ひとかか)えもある寸胴(ずんどう)(あらわ)れた。

 おぉ~っ。

 いつ見ても凄い、(りん)の魔法。

 記憶にある物を、その場に再現出来るという便利魔法なのよねぇ。

 有形の物に限るみたいで、魔法とかは具現化出来ないみたい。あと、細かい構造の物は魔力を大量に消費するんだって。

 でもね、この凄いところはもう一つ。

 食べられる。使える。

 そうなんだよぉ。幻覚じゃなく、本物なのっ。お腹も満足な、超便利魔法なんだよっ。

「今日はシチューだねっ。」

「そう。記憶ノ魔法、テーブルと椅子、食器。」

 次にいつも使うテーブルと椅子、その上に食器類が登場する。


 これら全て、(りん)の記憶を形にしているらしい。

 記憶が曖昧だとキチンとした形にならず、魔法自体も失敗してしまうって聞いた。

「記憶ノ魔法、パンとサラダ。」

 続けてテーブルの上に、たくさんのロールパンと山盛り千切(ちぎ)りサラダ。

 今日は心(あった)まるご飯だよぉ。

 あたしは自然と顔が(ゆる)んでしまう事も隠さず、笑顔で寸胴(ずんどう)の蓋を開けた。

 勿論、ホッカホカの湯気が立ち(のぼ)る。

「今日も美味しそうだねぇ。」

 あたしは笑顔でシチューを取り分けた。

 どれだけ食べたってなくならないもんね、この量なら。

「別に、ローテーションで出してるだけから。」

 急にそっぽを向く(りん)

 これ、デレてるんだ。

 (りん)は普段淡々としているんだけど、たまにこうなるんだよねぇ。

 俗に言う、ツンデレってやつ?

 そしてこの時ばかりは、(りん)は凄くミスをする。

「ぅあ~、あつっ。」

 椅子にテーブルに取り分けたお皿を(りん)がひっくり返し、お腹辺りに思い切りシチューを(かぶ)ってしまった。

 ほら、ね?


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