科学者とは04
「分かったよ。まぁ俺だって、そこまで情報公開を渋っている訳じゃないし。」
諸手をあげ、苦笑いを浮かべる悠希。
私達が逆に食って掛かった事で、やっと話す気になったようだ。
ってか、初めから素直に話してくれれば良いのに。
「あ、唯?今、俺に対して、素直に話してくれれば良いのに~とか、思っただろ。」
僅かに唇を尖らせた私に、悠希がニヤリと悪そうな笑みを見せる。
「な、何よ…っ。」
明らかに狼狽える私。
違うと言い切れない辺り、悪巧みを出来ない性分だ。
「本当に、唯は分かりやすいなぁ。」
ニコニコと楽しそうな悠希だったけど、私は更なる不満に唇を尖らせる。
「ほら。そんな顔してると、アヒルになるぞ?」
「~~~~~っ。」
また唇を摘ままれた。
そして声なき私の悲鳴は、楽しそうな悠希の笑い声に掻き消される。
「御門さん、話が進まないのだけれど。」
楽しそうな、でも困ったような表情の雛。
それは今までになく、普通に悠希へ言葉を向けている。
私と悠希のじゃれあいが、人見知りの彼女の心を溶かしたのだったら、それは最高なのだ。
「あぁ、悪い。科学者だよな?っていっても、本当に俺が知っている情報は多くないけど。アイツ等は、魔法の替わりに科学力を武器とする。そしてその科学は、今回襲ってきたような、人形のロボットを造る力もあるんだ。」
急に真顔になった悠希は、真っ直ぐ私達に視線を向ける。
そして語られる、あの覆面さん達の正体。
「…ロボット?」
「そ、ロボット。機械仕掛けの人形なんだけど、ソイツ等は何故か、自力で動く事が出来るんだ。」
おうむ返しで問い掛ける私に、先程よりも噛み砕いて告げる悠希。
いや、でもねぇ?…勿論、ロボットを知らない訳じゃないの。
私は少しだけ困った顔になる。
何処まで彼に話して良いのか、検討もつかないから。
「唯。御門さんは、心眼の力を知っているわよ?」
そんな私に、諭すように小さく雛が告げた。
…知ってる?心眼の力を?
という事は、霊視出来る事を知っているという意味なのだろう。
「ん?何、何?唯の心眼が、どうかしたのか?あ、ってか…俺の事を忘れてるのって、そのせいかぁ?」
興味を引かれたように私の目を覗き込み、不意に何かに思い至ったようだ。
何故か、私よりも私の事を知っている目で見る。
…何よ。何なのよ。




