科学者とは03
「それじゃ、始めるとするか。まずは科学者とは、だ。」
悠希は掴んでいた私の肩から手を放すと、窓際の壁に寄り掛かるようにして腕を組む。
何だか偉そうに見えるのは、この雰囲気のせいかな?
それでも何も言わず、私と雛は言葉の続きを待った。
「科学者は悪だ。…以上。」
悠希はそれだけ告げると、一人で納得したように、ウンウンと頷いている。
…は?
勿論、私も雛も、お目々パッチリ…ではなく、キョトンである。
「…冗談?」
私は真顔で悠希に問う。
だって、そうとしか思えなかった。
「不満?」
逆に悠希から小首を傾げて問い直され、私と雛は顔を見合わせる。
「あの…、御門さん?私達が聞きたい内容は、善悪の判別ではないのですが。」
少し吹っ切れたのか、雛が面と向かって悠希に問い掛けた。
これだけ毎日、ほぼ一緒にいるのだから、少しは慣れてくれないとね。
「そうだよ、悠希。私達が重要視するのは、敵か味方かだもん。まぁ、大方敵であるとは思ってるけど。」
雛の言葉に続けるように、私は腰に手を当てて胸を張る。
「ふむ…。敵味方の判別で言えば、明らかに敵だな。アイツ等科学者は、魔法を使える人間を憎んでいる。どうせ、初め羨んでいたのが、悪化したんだろうぜ。」
考える素振りをするものの、先程と変わらない悠希の言葉。
彼自身も、科学者達に何かされてきたのかもしれない。
「そもそも科学者とは、何を目的とした集団なのかしら。」
顎に手を当て、雛が考え込むように呟く。
確かに、私達を襲った理由がある筈だね。
「そうだよね、雛。欠片を狙った理由もあるだろうし…。」
「それって、俺が聞いても良いのか?」
私と雛の会話に、悠希が少しだけ難しそうな顔を向けた。
あ、そうだ。悠希にも、欠片の事を話してないや。
「…そうね。御門さんがこの先、私達と関わり続けるのなら必要な情報かしら。」
「えっ?何、何?」
小さく呟いた雛の言葉に、明らかに悠希の興味を引いたようだ。
「ちょっと、悠希。それよりも、科学者の特徴とか知らないの?私達から情報を引き出すには、まだまだ五分じゃないんだからねっ。」
私は、そんな悠希にストップを掛ける。
敵対するかも知れない相手なのだから、少しでも科学者に対する情報を得るべきだ。
雛はそれを見越して、欠片の事をチラ見せしたんだと思う。




