表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第2章
PR
39/186

旧世界の遺物01


「大丈夫?(ひな)…。」

 よほど私が心配そうな顔をしていたのだろう。

 苦笑を浮かべつつも、ベッドから(ひな)の手が伸びてきて、頭を撫でられる。

 その優しい手に、私が目を細めて(なご)んでいると。

「こらこら、(ゆい)。寝込んでる奴から(なぐさ)められてどうする。」

 横からグイッと身体ごと引っ張られ、固いものに押し付けられた。


 上から聞こえた声に、それが悠希(ゆうき)の肉体だと理解する。

「なっ…っ!」

 片腕を後ろから肩ごしに回され、身動きが取れない。

 それでも混乱している私は、その腕から(のが)れようと、思い切りバタバタと暴れた。

「ちょ…?静かにしろって、(ゆい)…っ。」

 暴れる私を押さえようとしていた悠希(ゆうき)だったけど、途端に息を()んで押し黙まる。かと思うと、急に解放された。

 ん?どうしたの?

 さすがに心配になり、ソッと後ろを振り返ってみた。

 足?あぁ~…もしかしなくても、私が蹴ったのね?

 (すね)を押さえて(もだ)える悠希(ゆうき)を見て、私は一人納得する。


「突然女の子を、後ろから羽交(はが)()めにするからだよ。」

 危ないところを助けてもらったとはいえ、私にとって彼は初対面。

 いや、(ひな)悠希(ゆうき)を知っているから、私も知り合いかも知れないけど…。それにしたって、何年かぶりな訳でしょ?

「…っ。いや、本当に…悪かった。」

 (すね)(さす)りながらも、悠希(ゆうき)は素直に頭を下げた。

 こういう時、変な言い訳をされないのは好印象を受ける。

 真摯(しんし)に向き合ってくれているのだと、安心も出来た。


「うん、許す。」

 私は悠希(ゆうき)に、ニコッと笑みを向ける。

 少し上から目線かも知れないけど、身長差からすると明らかに私が見下されサイズだから、こういう時くらいは良いだろう。

「ははぁ~…、有り難き幸せ…。って、こんなところで良いか?」

「うんっ。悠希(ゆうき)、面白い人だね。」

 仰々(ぎょうぎょう)しく頭を下げつつ、少し()を置いてから笑みを見せた悠希(ゆうき)

 私は彼の、こんな人当たりが良いところが新鮮だった。


「でも、私と(ひな)()れ合いを邪魔しちゃダメだよ?」

 コテンと小首を(かし)げて訴えると、悠希(ゆうき)は何故か苦笑いを浮かべる。

「悪かったって。けど、雛乃(ひなの)は魔力消耗で熱があるんだから。ちゃんと休ませてやらないと、早く治らないぜ?」

「あ…。」

 言われて改めて思い出す。

 そうだった。

 お医者さんからは、ゆっくり休めば二、三日で良くなるって言われてたよ。

「ご、ごめんね?(ひな)。ゆっくり休んでね~?」

 慌てて悠希(ゆうき)の背を押しながら、(ひな)に笑顔で手を振った。

 (ひな)は静かな笑みを浮かべて、布団の隙間から小さく手を振り返してくれる。

 そして私は、(なか)ば強引に悠希(ゆうき)と部屋を(あと)にしたのだっだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ