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さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第1章
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一つ目の欠片02


 と、とにかく。今は(ひな)をちゃんと休ませてあげないとならない。

「え、えっと…宿までは運べないし…。お医者さんも…、ここに呼べないし…。」

 空回りする気持ち。

 焦りばかりが(あふ)れて、私は一人でパニックになってしまった。

「落ち着いて、(ゆい)。私は、休めば大丈夫だから、ね?」

 うっすら涙まで浮かべていた私に、(ひな)はふわりと表情を(やわ)らげてくれる。

 身体が(つら)い筈なのに、私の事まで気遣ってくれる優しい(ひな)

 本当に、大好き。


「どうしたんだ?泣いてるのか?」

 戻って来ない私を心配したのか、悠希(ゆうき)がこちらに歩み寄ってくる。

 あ、(ひな)が固まった。

 人見知り発動。

「あ、あの…。」

雛乃(ひなの)か。顔が赤い。熱がありそうだな。」

 ワタワタと慌てる私をよそに、悠希(ゆうき)はズイッと、横たわる(ひな)に顔を近付ける。

 そ、それ以上近付いちゃダメっ。

「おっと、近距離過ぎたな。悪い。」

 私の心の声が聞こえた訳じゃないだろうが、悠希(ゆうき)は苦笑いを浮かべながら身体を離した。

 あれ?…もしかして、(ひな)の人見知りも知ってる?

「後で町まで運んでやるよ。とりあえずその前に、アイツから奪い返さないとならないだろ?」

 さらりと告げ、顎で覆面さんを指す。

 そ、そうだった。ここまで頑張っておいて、収穫なしって(つら)すぎ。

「う、うん。(ひな)、ごめんね?ちょっと待ってて?」

 悠希(ゆうき)の言葉に了承しつつ、私は(ひな)に同意を求めた。

 勿論、(ひな)は了承してくれる。

 って言うか、無言で何度か頷いてくれただけなんだけど。


 私は悠希(ゆうき)と一緒に、地面に埋もれる覆面さんに歩み寄る。

 だって、一人じゃ怖いもん。

「あ、あの…、光を返してっ。」

 恐怖もあって少し(ども)りつつも、私は手を差し出して覆面さんに告げた。

 けど、思い切り無視される。

 うぅっ…、(くじ)けそう。けど、早く(ひな)をお医者さんに()せてあげたい。


 悠希(ゆうき)は何もする気はないのか、今は私の隣で静観しているようだった。

 ムムムッと、私は必死に考える。何か、覆面さんに有利になる事はないか。

 何か…。………イレーニア・バッティスタ…。ん?

 不意に頭に浮かんだそれ。

 名前?覆面さんの?

 私は思わず周囲を確認する。

「えっと…、イレーニア・バッティスタ…さん?」

 私が覆面さんへ向け、疑問系ながらもそれを口にした。

 けど、ビンゴ。

 明らかに顔色が変わった覆面さん。あ、顔を出してるから、元覆面さんだね。

「イレーニア・バッティスタさん、返して?」

 今度は柔らかく言ってみた。

 立場的に今の私、元覆面さんより上だもんね。


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