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さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第1章
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捕獲02


 ソッと彼を見上げると、それに気付かれて視線を向けられる。

 そして、爽やかに微笑まれた。

 うん、やってる事は結構悪なんだけど…何故だか憎めない。


「これでも返す気はないのか?」

 再び彼は覆面達に問う。

「わ、分かったっ。か、返すから…っ。」

 溺れるように地面の砂を()く覆面。

 けど、何だかおかしい。

 私はその違和感に、理由まで思い当たらなくて首を(かし)げる。

「どうしたのさ、(ゆい)。」

「え?あ~…、何か…。」

 不意に彼が問い掛けてきて、私は自分の思考の中で気付かなかった。

 何でこの人、私の名前を知ってるのだろうか、って事に。


「あ…、分かった。この人以外が、普通なんだ。」

 (ようや)く違和感の答えに辿り着いた私。

 普通っていう意味は、人間味があるって事かな。

 けど、声に出しちゃダメだったみたい。

「チッ、気付きやがった!ヤれっ。」

 急に砂で溺れていた覆面が、他の覆面に合図を送る。

 すると、砂に半分以上埋もれていた他の覆面が攻撃を繰り出してきた。

 ぅきゃ~っ。

 しかもなんと、飛んできたのは手首っ。

 もう、驚くなって言う方が無理だよ。

「っ!」

 即座に、(みずか)らが()びていた剣を盾にする男の子。

 私の目の前、数センチの距離で弾かれる手首。


 もう、こういう時は気を失ったりしたいよね。怖すぎ。

 でも図太いのか、私の神経はそんなに繊細じゃない。

 しかも驚きに見開かれた瞳には全てが見えちゃって、何かもう…っ。

「大丈夫かっ?」

 心の中で自分に(なげ)いていた私は、慌てたような彼の言葉に(われ)に返る。

 そうだよ、今は現実逃避している場合じゃない。

 それによくよく見てみれば、手首は人のそれじゃなかった。

 似てはいるけど、明らかに作り物。だって、細い鉄を寄り合わせたワイヤーで繋がっているもん。

 彼の細い剣に巻き付くように、その手首はぶら下がっている。

「あ、ありがと…。」

 どうにかお礼は告げるけど、心臓はまだ一人でダッシュ中。


 でも、ゆっくり休ませてはもらえない。

「この…っ。あの男はヤってしまえっ。」

 砂の地面でもがく覆面が、再度他の覆面に指示を出す。

 すると残る覆面が、一斉(いっせい)に手首を飛ばしてきた。

 いや、だからその攻撃、怖いんだって。

 それらの手首は、掌を開いたパーの状態で飛んできて、彼の全身をあちこち(つか)む。

「くっ!」

 肩や足、太股や首などを掴まれて、彼は苦しそうに(うめ)いた。

 4掛ける2、合計8個の手首に襲われている。

 あ、両手は自分の剣を持っているからなんだけど。その剣は一つの手首を巻いてるから、掴んでいるのは彼の方で…。

 とにかく、絶体絶命?逆捕獲だよっ。


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