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さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第1章
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 (やじり)が大きく左に()れて飛んでくる。

 双児宮(そうじきゅう)が作り出した風の防御壁は前方のみの防御であり、今この瞬間にそこに防御はない。

 いや~っ、そこはマズイって!

 (ひな)の身体を抱き締めながら、私は心の中で叫んだ。

 何でこういう時って、やたらとスローに見えるのかな。恐怖を(あお)るだけだから、いっそのこと一思(ひとおも)いに…いやいや、ダメだよっ。

 私は見開いた両目を閉じる事も出来ず、その身を固くする。


「障壁ノ魔法、絶対防御。」

 遠くでそんな声が聞こえた。

 そして前方に半透明の壁が登場する。

 飛んできた(やじり)が大きな音をたてて弾かれる。

 …あ…、あれ…?

 全てが目の前で起こったんだけど、私は完全に(ほう)けてしまって動けなかった。

「か弱い女の子(レディ)相手に何をするんだ、あの馬鹿共はっ!火山雷ノ魔法…モード土、大地浮遊っ。」

 吐き捨てるかのような怒声が聞こえ、私はゆっくりと視線を巡らせて声の主を見る。


 男の子…。歳は同じくらいか、少し上。背は高くて、私からしたら見上げちゃうくらいかな。

「もう大丈夫だからなっ。」

 なんてボンヤリ観察してたら、不意に振り返った彼と目があって、微笑まれちゃった。

 えっ?何?

 恐怖からの驚きがまだ回復してなくて、私は(まばた)きを繰り返す事しか出来ない。


 そんな中、彼の放った魔法が前方の地面を持ち上げていた。

 …え?

 更に驚愕のあまり見開かれる私の瞳。もう、落ちちゃうんじゃないかしらってくらい。

 それでも魔法は止まらない。

 ゴボッと音が聞こえそうなほど、覆面軍団の立っていた場所一帯が空中に浮かんだ。

 建物の屋上部分が、帽子を脱いだみたいにパカッとだよ?

「口、開いてる。」

 いつからこちらを見ていたのか、クスッと笑いながら突っ込まれた。

 爽やかな笑顔で、そんな事を言わないでよ。

「なっ?」

 慌てて口を閉じたけど、間抜けな顔を見られた事には変わらない。

 自業自得ながらも、その()に落ちなさに唇を(とが)らせてしまう。

「そう、()ねるなよ。ホント、昔と少しも変わってないな。相変わらずちっこいし。」

 とても素敵笑顔で、何故か毒を吐かれた。

 ん?何、この人。昔からって…、私は知らないよっ?

「何だ、忘れちまったのか?」

 そんな事を思っていると顔に出てたのか、彼は苦笑いを浮かべてしまう。

 いやいや、本当に知り合いなの?

 って言うか、今は前方に集中してよねっ。


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