応援01
「もう…こうなったら、やるしかないよっ。」
私は拳を握り締め、雛に同意を促す。
「そうね。いつまでもこうしてはいられないのだし…、そろそろ攻めに転じても良いかしら。」
顎に軽く手をあてて考えたようだが、すぐに答えを出してくる雛には迷いがない。
こちらは魔力を使っての戦闘が主流だ。
それに比べ、襲撃者のこれは何か。
立て続けに攻撃を受けている事も考えると、武器であるとは思った。けど、これほどの長距離を正確に攻撃し続けれるという事は、よほどの使い手なのだろう。
「とにかく、相手の攻撃の限界が分からないもん。当たって砕けろだよっ。」
「いいえ、唯。砕けてはダメよ。砕けそうな時には、一時退散。分かったかしら?」
拳を突き出して宣言する私に、雛は真顔で正論を述べる。
まぁ、そりゃそうなんだけどね。
「わ、分かったよ…。と、とにかく行くよっ。」
若干出鼻を挫かれた感がある私だけど、それでも改めて拳を突きだした。
「えぇ、いつでもよろしくてよ?」
すぐに雛が同意を示し、二人でこの守りの戦闘を覆す為の一歩を進める。
とはいっても、見た目は変わらず。雛の風の防御壁を盾にしているだけなんだけど。
それでも一歩ずつ、覆面軍団に歩み寄っていく。
「…大丈夫、雛?」
心配になり、前を行く雛に声を掛ける。
私は陰に隠れているだけなのに、雛は初めからずっと、襲撃者の攻撃を受け続けているんだ。
「そうね。魔力が続く限りは、この攻撃くらいでは破られる事はないのだけれど。」
雛の言葉に、私は背後を振り返った。
うん、結構進んできている。
だって、東京タワーがあんなに遠くに見えるもん。
「まだ、私の星ノ魔法の攻撃範囲には入らないんだよね。」
思わず申し訳なく思ったのが、顔に出てしまう。
「そんな顔をしないで、唯。私だって、この距離ではまだ、相手に届かせる攻撃は出来ないのだから。」
ふわっと、柔らかい笑顔を見せてくれる雛。
たぶん、魔力消費と共に、疲れが身体に蓄積されて来ている筈。
魔力がゼロになると、私達魔力所持者は気絶してしまう。でも消費量自体は、自分達の疲れ具合で判断するしかないんだけどね。
「せめて、黙視出来る範囲にまで近付ければ…。」
そう呟きながら前方を見るけど、まだまだ裸眼では点にしか見えない。
これって、結構危機的状況だったりする?




