光る点02
「今度は何が見えたのかしら?」
雛が私の隣に腰掛ける。
宿屋の固いベッドでは、それくらいの事で弾みはしなかった。
「うん。えっと…、東京タワーの下で男の人と話している誰かがいてね。あ、何を言っているのかは分からなかったんだけど。」
私は曖昧ながらも、先程の夢の内容を覚えている限り雛に語る。
雛は私が夢を話す度に、小さく頷きながら聞いてくれた。
「それなら、四角錐の塔の麓が鍵ね。」
私の夢から何かを見出だしたらしく、雛がニッコリと笑顔を見せる。
そうなんだ、東京タワーの下ね?
…っていうか、眠い。
あの光がただの夢の産物だったら、私の睡眠を返してもらうんだからっ。
えっ?誰にって?…そ、そんなの…、誰かによっ。
睡眠不足気味の私は、内心かなり不機嫌になっていた。
「地図を見ると、この宿場町から半日の場所なのよね。明日の朝に出てみようかと思うのだけれど…、唯は大丈夫かしら。」
雛が顎に手をあてて考えている。
そうだよね。私が眠れてない事が心配なんだよね。
その間も、私の頭を撫でる雛の手は止まらない。
「こうして頭を撫でられていると、何だかゆっくり眠れそう。」
私は目を閉じ、そのまま雛にもたれ掛かってみた。
「分かったわ?それで唯が眠れるなら、私の膝を喜んで貸すわよ。」
甘える私にイヤな顔一つしないで、雛の方から自らの膝の上に頭を誘導してくれる。
あぁ~…、何だかもう……、最高なんだけどっ。
「ありがと~。雛、大好きっ!」
思わずスリスリしたい気持ちになったが、そんな事をすれば間違いなく叩かれる。
私は衝動を理性で押し込み、言葉だけで感動を伝えるだけにした。
「そう、良かったわ?間違っても頬を摺り寄せるなんて暴挙に出られなくて、私も安心したもの。」
笑顔を浮かべながらも、雛は私の心を見透かしたような発言をして釘を刺してくる。
さすが、私と長くいるだけの事はあるね。
「アハハ…。そ、そんな事しないよぉ~。」
「そうよね?」
苦笑いする私と、ニッコリ笑顔の雛。
うん、洞察力が半端ないよっ。怖いよっ。
「おやすみ、唯。」
「ありがと、雛。少し膝を貸してね?」
「はい、どうぞ。」
そんなやり取りをした後、私はスッカリ熟睡してしまった。
それはそれは、何でこうも寝られるんだってくらい、しっかりと睡眠をとりましたともっ。




