いよいよ上陸03
結論からすれば私達は今現在、侵入不可と言われていた島への上陸を果たした。
「…ってか、何か嬉しくないよなぁ。」
悠希がぼやく。
目の前には多くの石碑とも言えるモアイ像が立ち並んでいるのだが──それ以外の存在の方が圧倒的に私達を威圧してる。
「何で科学者達がここにいるの?」
「いや、皆がそう思ってるから。」
私の呟きに、呆れ顔で悠希が答えた。
何よ、そのバカにした視線は。
ムッとする私だったけど、隣から続けられた言葉に思わず固まる。
「スッゴいオッパイ…っ。」
私の隣にはミセランさんがいるのだけど、彼の視線は前方に釘付けだった。
理由は彼の言葉が示す通り、豊満な肉体を曝す科学者の一人である。
「うわ~…、引くなぁ。今まで年上で頼りがいのある冒険者だったのに、一気に其処らの酒場のオッサンと同じレベルになり下がったよ。」
大きく溜め息をつく私。
ジト目でミセランさんを見てしまった私は悪くない筈だ。
勿論科学者といえど、大勢の出迎えに人見知り発動中の雛は、私の背後にピタリとくっついている。
「ねぇ。貴方達でしょ?」
崖っぷち四人に話し掛けてくるその人は、前方に立ち塞がる科学者達の恐らく統率者。
そしてミセランさんが釘付けとなる肉欲的なお身体をお持ちの、ボンキュッボンなお姉さんだ。
「私、知ってるのよね。貴方達、欠片を集めてるんでしょ?」
肉厚の真っ赤な唇の端を上げ、蠱惑的に微笑む。
怖いよ、このお姉さん。何で私達が世界の欠片を集めてる事を知ってるの?
思わず後退った私は、カラリと足元の石が落ちた音で我に返る。
今私達がいる場所は本当の崖っぷち。海底の仕掛けから現れた洞窟を抜けた所が、何故だか目的としていた孤島の断崖絶壁だったのだ。──ちなみに、やって来た筈の洞窟は既に科学者の攻撃で木っ端微塵と化している。
「欠片?何の事?」
唯一、その事を知らないミセランさんが私達を見回す。
けどそれ、確実に自分だけ逃れようとしているみたいだからやめて。
「オバサン、何言ってんの?」
惚けた顔で問い返す悠希だったけど、言葉の選択が間違ってた。
「私はオバサンじゃないわよっ!」
「ぅおっ!?」
突然肉欲お姉さんが叫んだ途端、悠希の足元の地面が大きく抉れたのだ。──持ち前の反射神経で飛び退いて避けてたけど。
彼女は腕を振るっただけ。明らかに距離が離れている為、何らかの遠距離攻撃をされたのだと予測される。
「私はまだ28よっ!アンタみたいなガキんちょに私の魅力が分からないだけよっ!」
両の拳を握りながら、歯を剥き出しに怒るボンキュッボン。
って言うか、キーッと実際に言う人を初めて見たよ。




