接近しようにも03
そうして商談とも呼べる作戦会議が終わった。
けれど、ミセランさんはまだ何か聞きたそうで立ち上がらない。
「まだ何か用?」
相変わらずの冷たい態度の悠希が、そんなミセランさんに問い掛けた。
即席パーティーとはいえ、もう少し軟化した態度をとってほしいんだけど。
「いや…。君達、誰かに狙われているの?」
「何でそんな事がアンタに関係あるんだ?必要以上の詮索はしないでくれ。」
逆に心配そうに眉根を下げながら問われ、私はミセランさんに罪悪感を感じてしまう。悠希はバッサリと切り捨てたけど。
もしかしたら科学者達に襲われて危険な目に遭うかもしれないのに、私達はその情報を掲示しないのだ。
「そっか…、分かったよ。それじゃ明朝、日の上る前に。」
「宜しくお願いしますっ。」
退室するミセランさんに私は深く頭を下げる。
彼が扉に触れる寸前に悠希が結界魔法を解除したから、それまでのここでの会話は漏れていない筈だ。
それでも私は、粗がないか思い返して確認する。
「初めての冒険者との共同作業になるわね。」
「うん。ドキドキするよ。」
「…俺はアイツが気に入らないが、能力が必要だからやむを得ずなんだからな。」
静かに語りかけてくる雛と、先程までと変わらない不機嫌さをアピールする悠希。
私は彼の意図が分からず、思わず首を傾げてしまった。
「悠希は、何でそんなにミセランさんを敵視するの?」
「何がって全てさ。明確に言えば、自分で俺等より上位だと自己紹介した時からだ。俺等が年少者である事を下手に見て、バカにしてるにも程がある。アイツとだって、5つも離れてない筈なのにっ。」
歯噛みして悔しがる悠希。
年齢は聞いてないけど、ミセランさんは19歳か二十歳だと思われる。今くらいの私達にとって5歳の年齢差って大きいと思うんだけど、悠希は許せないみたい。
「御門さんが私達より頼りになる事は知っているわ?私も唯も、いつも助けられているもの。他の冒険者と行動を共にする緊張があるのだから、そこで御門さんが大らかな対応をしてくれると安心出来るわね。」
ピリピリしている悠希に、雛がゆったりと話し出した。
誉めて宥める方法をとったようである。
「そ、そうか?」
「えぇ。御門さんは私達より年長者なのだし、男性である事も頼りにしている要因ね。」
「や、まぁ…何だ。そんなに?よ、よし。安心しろよっ。俺が唯と雛乃をアイツからもその他からも守るからなっ。」
そして良い笑顔で笑う悠希である。
単純というか…、扱いやすくて助かる。けど、私では雛のように上手くはいかないよね。




