呼応 04
「唯、それ…本当か?」
怖い顔で聞いてくる悠希。
本当にこの人、科学者嫌いだよね。科学者の名前を出した途端、急に出てくる言葉の端々に敵意がこもるもん。
「私の見た事に疑いを持つなら、それまでだよ。別に信じようが信じまいが、それは悠希の勝手だからね。」
とりあえず私は、そこで突き放してみる。
元々悠希は、彼の意思で私達と行動を共にしているだけだから。ずっと一緒にいられるかなんて分からないし、期待してもダメだと思う。
「ねぇ、雛。私、あの自由の女神から、世界の欠片をもらってくるよ。科学者達があそこに欠片があるって知ってるかは分からないけど、あのままにはしておけないから。」
「そうよね。ここに来たのも、必要な事だったと思うわ。それによって私達は、科学者の意図を知れたのだから。」
悠希から視線を外した私は、雛に向き直って告げた。
冷静な雛は、もう完全復帰しているらしい。科学者の目的を知って、それでも私達の目的を見失う事はない。
第一、それぞれが思い出を持っている旧世界の欠片を、自分本意な考えで扱うなんて間違ってる。
「俺も手伝う。」
ハッキリと悠希が告げた。
「元から欠片探しを手伝うって言っただろ。」
しかも、少し怒り口調で。
いやいや、今怒っても良いのは、私の方じゃない?
思わずジト目で見てしまう。悠希はそれに対し、少しだけ困った顔をした。
「もう、仲が良いのね。でもそういうのは、宿とか家でしてくれると助かるかしら。」
「「なっ!?」」
雛の呆れ口調に、私と悠希が二人して絶句した。
今のって、どう見ても仲良しとは反対だったよね?
「それで、唯はどうするつもりなのかしら。世界の欠片を取りに行くのなら、再度潜入する形になるわよね?」
「う~ん…、そうだねぇ。って言うか、考えていても仕方ないから、私は行くかな。」
雛からの問い掛けに、私が考えたのは僅か。
本当に、考えても分からないものね。それよりも、飛び込んでいった方が何とかなるんじゃないかなって結論になった。うん、頭脳担当は私じゃない。無理無理。
「早すぎるだろ、結論出すの。」
「何よ、悠希。じゃあ、別の考えを聞いてあげる。」
「…おぅ、俺も行く。」
文句を言ってきた悠希に矛先を向ければ、私と大差ない時間の後、この返答である。
ダメじゃん。
「変わらないじゃん、それ。」
「いやいや。俺が一緒っていう、強味があるだろ?」
「どれだけ?」
「はあ?スッゴくだよ、当たり前だろうが。」
「何処が?」
「この俺の力を知らないのか?」
「知らないよ、そんなの。」
売り言葉に買い言葉だ。別に私は、悠希の強さを疑っている訳じゃない。
けど噛み付いてこられると、思わず噛み付いちゃうよね?




