呼応 03
「…で、どうだったんだ?」
少しだけ不機嫌を残したまま、悠希に問い掛けられる。
うん、何だか嫌な感じ。
私はプイッとそっぽを向いたまま、悠希の問いには答えてあげなかった。
だってこんな言い方されたって、誰も話したくなるはずないもの。
「~っ、………雛乃、頼む。」
とうとう根負けしたのか、視線も合わせない私に言葉を続ける事が出来ず、悠希は雛に頼んだ。
って言うか、頼む相手が違うでしょ。
「あらあら、困ったさんね。唯?教えて貰っても良いかしら。」
困った顔で─でも少しだけ楽しそうな雛が問い掛けてきた。
そりゃ、初めから教えない訳じゃなかったんだけどね。
「うん。雛に、教えるね。」
私はわざと、雛にだけなのだと強調する。
「悪かったって、唯。その…、俺にも教えてくれないか。」
そこで漸く、悠希が謝罪してきた。
うん、謝ったから許してあげよう。
「仕方がないなぁ~。えっとね…、簡潔に言うと、あの場所では世界の欠片の偽物を作ってた。」
「は…っ?」
「え…?」
私の発表に、悠希と雛の驚きの声が続けられた。
珍しく雛も、表情からして驚いている。悠希はまぁ…、いつもこんなだし。
「な……、何言ってるんだ?」
「嫌だなぁ、悠希。耳がおかしくなっちゃった?」
「いや…、だって…だな…。」
私はわざとからかうように言ってみたけど、それに気付かない程、驚きが強いらしい。
まぁ、私も実際に見てビックリしたんだけどね。
「それで…、どうなのかしら?」
雛が言葉を続けてきた。
さすがに完全復活ではないみたいだけど、普段から冷静に物事を判断する彼女らしいよね。
「うん、まだ成功はしてないみたい。でも科学者は、それを使って新しい世界を作ろうとしている。」
私の言葉の途中でホッとした表情を浮かべた二人だけど、続けられた内容に再び驚愕の色を浮かべる。
でも私は、潜入したあの場所で見た。
光る球体を作り出し、それを組み上げて小さな空間を創っていたのを。勿論すぐに消えちゃったけど、一言で言えば凄かった。
世界の欠片を探し始めたのは、単に冒険心からだったけど。だって良く夢に見た旧世界が、とてもキラキラして素敵だったから。
でも良く考えてみれば、この世界と旧世界は違う。当たり前だけど、完全に別々にはならない。
だってだって私が知っているこの世界は、旧世界と融合してしまった後、100年も経っているんだからね。つまりは、旧世界ありきのこの世界だ。
それでも私は─私達は、旧世界の欠片を探す。




