呼応 01
カメ更新ですみません。
「すみません。鍵は…。」
私はこのままではさすがに不味い─見つかった時が怖い…この肉体の持ち主の運命─と思い、衝立から出ると同時に、二人へ声を掛ける。
やはりというか、彼等は私─の憑依した男の人─がいる事に気付いていなかったようだ。
普通に驚いた顔で振り返られ、同僚科学者は気まずそうな表情を浮かべる。
「あぁ…、備品庫の鍵だな。こっちだ。」
上司が壁にあった幾つかの鍵から、目的となる鍵を取り外して渡してくれた。
探す手間が省けて、助かったよ。
っていうか、何だか早く立ち去ってほしい雰囲気?
良いですよ~、空気読みますよ~。
「ありがとうございます。では、行ってきます。」
私は足早にその場を立ち去る。
っていうか…、フラグ面と?ふらぐめんと…フラグメント。あ、断片とか欠片とかって意味か。
フォールスは、トゥルーと対称のあれだよね。つまりは…。
通路を歩きながら、私は先程の科学者達の話を解読しようとしていた。
「あ…。」
思わず声に出してしまい、通路を擦れ違う別の科学者に訝しげに見られる。
ヤバい…。
思わずペコリと頭を下げつつ、何事もないようにやり過ごした。
はぁ…、ビックリした。…でもさ、何か私、気付いちゃったんだけど。
頭の中では色々と考えつつも、私は先程の備品庫に辿り着く。
鍵を差し込み、当たり前だけどすんなりと扉が開いてホッとした。
そして上司科学者の言っていた言葉を理解しようとする。
つまりはあれ、世界の欠片の偽物って事でしょ?
考えながらも、台車に積んである荷物と一緒に、私の本体の身体を箱に詰める。
奥の方に倒れておいて、正解だったよね。この台車、さっきはなかったもん。
自分を箱詰めする事になるとは思いもしなかったけど、台車があって助かったよ。
ここは女神像の中なのに、地下はあるし、旧世界のエレベーターはあるし。
本当にここ、何処?って感じだから。
私は憑依した男の人を操って、当たり前のようにそれらを操作していた。
それもこれも、旧世界の記憶があるからなんだけど。
台車を押して、依頼通り集荷場所に置く。
さてと、本番はこれからだ。
私は自分に向けられている視線がないかを気にしつつ、私本体の箱を抱えて静かに移動する。
この場合、最悪誰かに見られても、何処に持っていくのかな~レベルだからね。
そうして私は、危機的(?)状況からの脱出を成功させた。
うん、もう成功で良いよね?




