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さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第3章
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欠片の使い方05


「…意欲があって宜しい。頼んだぞ。」

「はいっ。」

 上司から正式に依頼を受け、私は元気に返事をした。

 よ、良かったぁ…。


 内心では胸を撫で下ろしながら、隣の科学者を見る。

 彼は困惑したような顔をしていたが、上司が退室した後に大きく息を吐いた。

 あれ…溜め息?もしかして、(あき)れてっ?

 私は自分の行動が正しかったのかも分からず、同僚らしき科学者の反応を伺ってしまう。


「凄いな、お前。あの人の言葉に、すぐに反応出来るなんてな。」

「え、集荷の準備だから、簡単だと思って…。」

 酷く感慨深げに言われたので、私も戸惑いを隠せずに答えた。

 上司、なんだよね?っていうか、間違ってはいなかったみたい?


「…あの人は怖くて有名だから、皆が失敗を恐れて、なかなか命令に即座に対応が出来ないのにな。」

 何度も頷きながら告げられた同僚科学者の言葉に、私は困惑してしまう。

 そんなに怖い人の命令を、簡単に受けてしまった私?─っていうか、この身体の持ち主、後々大丈夫?


「いや、良いんだけど。渋って受ける方が、後で都合悪いからさ。」

 苦笑する同僚科学者。

 どうやらこの人達は、かなり立場が下の方らしい。つまりは、反論出来ないって事だね。


 そんな人の身体を、勝手に拝借している私。

 まぁ、後で上手くやっておいてね─としか言えないけど。


 私はその場で、曖昧な笑みを返すだけにする。

 どんな人でも、立場が変わればその行動も変えざるを()ないのだから。


「じゃあ…。」

「あぁ、行ってきな。」

 この場を去ろうと、同僚科学者に向き合う。すると、親しげな笑みを返された。

 本当にこの人達、仲が良いんだろうな。─ごめんね、騙すような事をしちゃって。


 私は少しの罪悪感を感じながらも、早々に備品庫へ向かう事にした。

 のんびりしていたら、さっきの上司が怒って来ないとも限らない。─自分の身体も心配だし。


 って事で、少し早足気味に戻って来ました、備品庫。

 でも、扉を開けようとしたところで気付く。


「あ…、鍵が掛かってる。」

 自分の口から出た予想以上の低い声に驚きつつも、少し考えれば分かるような事に(あき)れもした。

 仕方なく先程までいた部屋に戻り、鍵の場所を聞く事にする。


「あの…。」

 扉を開け、問い掛けようとしたのだが。

 怖いとの評価をされていた上司と同僚科学者の、何だか真剣な顔に言葉が止まる。


 何の話をしているの?

 思わずその場に立ち止まり、聞く体勢になってしまった。


「やはりフォールス・フラグメントでは、世界が安定しないようだな。」

「はい。幾度かパターンを変えてフラグメントを作っていますが、安定させるにはまだ別の要素が必要かと思われます。」


 何の…話?

 私は衝立の前で立ち止まっている。


 でも私のこれ、明らかに盗み聞きの体勢だよね。


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