表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。世界の欠片でも集めるか!!  作者: まひる & 結城 睦月
第3章
PR
104/186

欠片の使い方04

 勿論、魂の抜けた私の身体は、くたりと力なく倒れてしまうんだけどね。

 私は倒れて怪我をしないように、(あらかじ)めその場に座って、身体を固定しておく事を忘れてない。


 前にそれで怪我をしたんだろ─だなんて、誰も突っ込んじゃダメだよ?


 ともあれ、私は目標(ターゲット)の男の人の魂を追い出し、今は自分の身体となった両手を広げてみる。

「よし…。」

 思わず声が出た。

 あ、やっちゃった…?


「どうしたんだ?」

 その時、隣にいた別の科学者が話し掛けてくる。

 ぅわ~っ。ど、どうしようっ。

 見た目は変わらないのだから、そんなに焦る必要はないんだけど、やっぱりドキドキするじゃない?


「あ…、えっと…。」

「何だ、疲れてるのか?」

 変に会話から疑いを持たれないよう、対応に困っていた私。

 不安に思っていたのだが、その科学者はこの身体の人と仲が良いようで、笑顔を浮かべながら肩に手を回してきた。


 いや~っ。私の身体じゃないんだけど、(さわ)らないでっ。

 今は、感触などの感覚は全て私の物なので、突然知らない男の人に肩を抱かれた恐怖心に襲われる。


「っ…、大丈、夫…。」

 何とか感情を抑え、言葉を返す私。

「何だ?あ、そうか。お前、昼飯まだだったしな?」

 そんな私の気持ちを知る筈もなく、その科学者はにこやかに同意を求めてきた。

 もう、放っておいてほしいんだけど。


「そう、だったな…。」

「あぁ、なんだ。キリがついたなら、今から行ってきたらどうだ?」

 私の返答に疑問を(いだ)いた様子もなく、親しげに提案してくる。

 あ、それは良いね!


「分かった、そうする。」

「俺も昼飯まだだな。一緒に行こうか。」

 迷う事なく同意したのだが、その科学者も同行を申し出て来た。

 えっ、それは困るんだけど…。

 私はここから離れて、早く自分の身体を安全な場所に運びたいんだってば。


「そ、そうだな…。」

 しかしながら相手に嫌とは言えず、了承するしかない状況だった。

 困ったなぁ…。


 内心、そんな事を思っていると。

「あ、おい。ちょうど良いところにいた。」

「はいっ、何でしょうか。」

 声を掛けられ、同時に急に(かしこ)まったその科学者。

 どうやら、彼等の上司にあたる人らしい。


「備品庫の荷物を、配送車が来る前に外に出しておいてほしいのだが。」

 その年嵩(としかさ)の男性は、私─じゃない、この身体の持ち主─ともう一人の科学者に、集荷の準備をするように(めい)じてきた。


 や、ちょっと待って!備品庫って、私の本体がいる所じゃないっ?

「自分が行きますっ。」

 思わず、勢い良く答える。

 あ…、しまった…?


 一瞬の間が空き、酷く焦った。

 二人の科学者の視線が向けられる。


 ごめん、そんなに見られると困るんだけど…。


誤字修正(2016,05,10)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ