管理04
「どうだった?!」
私の姿を確認してすぐの、悠希の言葉。
対する私の方は、到着と同時に霊化の魔法が解け、肉体が物質化する。
本当にギリギリだったんだね。
「うん!自由の女神の頭の上からは、とても景色が良かったっ。」
第一声はこれ。
だって、自由の女神の王冠チケットって予約制で、下手すると半年先まで埋まってる事もあるんだよ?
あ、旧世界の話だから、既にチケット自体が販売してないか。
「唯。観光の感想は後で聞くから、まずは潜入調査の結果が知りたいわ?」
口をポッカリと開けた悠希に代わり、雛が静かに問い掛けてきた。
あぅ~、ごめんなさい…。
「ま~…楽しかったなら、それでも良いや。勿論、調査もしてきたんだろ?」
項垂れた私の頭に手を置きながら、悠希が苦笑いしながら告げる。
「も、勿論!っていうか、いつの間にか結界を張ったんだね。」
勢い良く顔を上げ、肯定する私。
そういえば的な話で、戻ってきた時には結界が張られていたんだよね。
私も拒絶されなくて良かったよ。
「あぁ、念のためな。勿論、唯は入れるようにしておいたぜ?」
ニッと笑みを浮かべる悠希。
視線を雛に向けると、彼女も深く頷く。
「そっかぁ、ありがとっ。あ、女神像の中、ヤバいよ!」
二人の変わらない様子にホッとするのもつかの間、私は潜入調査結果を一言で表した。
でも、それだけでは伝わらないんだよね。
「何が凄いんだ?」
「それだけでは分からないわね。」
二人から同時に突っ込みを受けました。
そして私は、調べた結果を二人に話して聞かせる事にする。
女神像の中は元々旧世界時代に、観光目的で上まで行く事が出来る程度だった。
それが今では地下を掘られ、科学者達の研究所になっている。
そして何の研究をしているかというと、これが一番の問題だった。
「…っていう訳なんだよね。」
「…旧世界の遺物から、新しい世界を作る?」
ボソリと呟かれた悠希の言葉に、私は静かに頷く。
信じるも信じないも受け手の判断だけど、私が見たあれは本物だった。
「女神像を削って、それを使って世界の欠片もどき作ってるの。」
「世界の欠片って、あの光った球か?」
私の言葉を受け、悠希が小首を傾げる。
「うん。光り方は弱いし、形も歪だけど。」
そして、地下で見た偽世界の欠片を思い浮かべた。
中に女神像は入ってなかったけど、実物を知っている程度の人なら、分からないと思う。
それくらい似ていて、怖い感じがした。




